ネットショップ運営で知っておくべき法律は?法律別にご紹介
インターネットの普及によって、オンラインでビジネスをおこなうことは一般的になりました。
加えてコロナウイルスの影響で巣ごもり需要が増加したことによって、今まで以上にネットショッピングは私たちの生活に欠かせないものになりました。
誰でも簡単に始められるネットショップですが、多くの法律に従う必要があります。
こうした法律を適切に遵守することは、ビジネスの信用性や信頼性の向上にもつながり、顧客満足度を向上させることにもつながります。
もちろん、法律に違反してしまうとビジネスとしての機会損失になるだけではなく、罰金などのリスクを抱えることになります。
今回はそんなネットショップを運営する上で知っておくべき法律について、法律別に詳しく解説していきます。
知っておくべき法律
ネットショップを運営する上で知っておきたい法律は、実店舗でビジネスをおこなう場合と同様にたくさんあります。
そんなたくさんある法律の中でも、特に知っておきたい法律について代表的なものを5つご紹介します。
1.商標法
商標法とはマークやロゴなどの商標を保護するための法律です。
この法律のおかげで企業が自社で作成及び登録した商標を保護することができ、他の企業が同様の商標を使用することを防ぐことができます。
もし仮に他の企業が登録している商標を無断利用すると、法的手段を取ることが可能です。
商標を登録することによって、ビジネスの信頼性や信用性を高めることができます。
商標法に違反してしまうと10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処されます。
ネットショップを運営する上では、使用するロゴやマークなどが商標登録されていないかを確認する必要があります。
2.特定商取引法
特定商取引法は、ネットショップの商品購入の際に生じやすい消費者トラブルを対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。
この法律は、ネットショップで販売する商品の品質や価格、保証などの情報が明確に表示されていること、商品の返品や交換が可能であること、不良品などによる不具合の解決策などが規定されています。
特定商取引法に違反すると、業務改善の指示や業務停止命令・業務禁止命令の行政処分の対象となるほか、一部は罰則の対象にもなるので、しっかりと確認しておく必要があります。
3.個人情報保護法
個人情報保護法はネットショップを運営する上でも重要視するべき法律です。
個人情報とは氏名、住所、連絡先、生年月日などを指し、これらを扱う業者は個人情報取り扱いに関するルールを作成し、個人情報の漏洩防止に努めることが求められます。
加えて個人情報を取り扱う際には個人からの情報の開示や訂正、利用停止などに関わる権利を尊重することが求められます。
個人情報保護法に違反すると1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処されることがあります。
また、個人情報保護委員会の命令に対して個人情報取扱事業者等が違反した場合にはその旨を個人情報保護委員会は公表することが可能です。
インターネットの普及によって便利に商取引がおこなえるようになった反面、こうした個人情報の取り扱いや漏洩については特に気を付けなければなりません。
違反してしまうと刑事罰を科せられるだけではなく、ネットショップとしての信頼も失いかねないため注意しましょう。
4.著作権法
著作権法についてもネットショップを運営する上では確認しておかなければなりません。
著作権は登録をする必要がある商標権とは異なり、映像や作品などを作成した時点で発生する権利になります。
主には著作物を利用して得ることができる利益に対しての権利になります。
そのため、著作権には著作物の複製、頒布、公衆送信、譲渡する権利などが含まれます。
販売する商品のデザインや、ネットショップのページ内に著作物を使用するためには、著作権保有者の許諾を得る必要があります。
もし仮に著作権保有者の許諾を得ることなく著作物を利用した場合には、10年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科されることになります。
また、著作権法では著作権だけではなく、著作者人格権等についても定められています。
著作者人格権とは、著作物を公表する権利、著作者自身の氏名を公開する権利、著作物を無断で修正されない権利、著作者の名誉を害するような使用を禁止する権利の4つからなります。
著作権法を正しく理解していないと、著作者からの連絡を受けてトラブルになってしまう可能性もありますので、他者が作成した著作物をネットショップページや製品やサービスに利用される場合には十分注意するようにしてください。
5.消費者契約法
消費者契約法とはその名前通り、消費者との契約に関連する行動について定められた法律です。
消費者契約法とは、契約内容を明示すること、商品の品質に関する規定、契約解除に関する規定の3つの要素から構成されています。
契約に内容を明示することでは販売方法や価格、商品説明などを明確に記載することが定められています。
品質に関する規定では、使用方法や保証期間などを明確に消費者に伝えることが求められます。
また、契約解除に関しても商品の故障時の対応など明確に消費者に伝えることが求められます。
消費者契約法に違反した場合に罰則は定められていませんが、消費者から契約の取消や無効を主張することによって不当な契約を排除することができます。
ネットショップを運営する上では、消費者に対してしっかりと契約内容を明示することが必要です。
まとめ
今回はネットショップを運営する上で知っておくべき法律について、法律別に詳しく解説しました。
誰でも気軽に始めることができるネットショップですが、実店舗を抱えるビジネスと同様に遵守すべき法律があります。
法律を適切に遵守することでビジネスの信用性や信頼性の向上、顧客満足度の向上を期待することができます。
ネットショップを運営する上では、訴訟や罰金などのリスクを防ぐためにも正しく法律を理解することが重要です。
ぜひこれからネットショップを開設される方や現在すでにネットショップを運営されている方は、今回ご紹介した内容を参考にしてネットショップの運営をするようにしてください。