ネットショップの平均売上は?売上目標を決めるポイント紹介
これからネットショップを開設しようと考えている方の中には、「ネットショップの売上平均はどのくらいなのか」「実際に開設するとしたらどのくらいの売上を目指せばいいのか」疑問に感じている方がいるのではないでしょうか。
ネットショップ開設において、自分が参入する市場についての理解と売上目標を決めるのは重要です。
今回は、国内のEC市場規模の現状と国内ネットショップの売上平均の情報、これからネットショップを開設する方が売上目標を決める際に押さえておくポイントを紹介します。
国内におけるEC市場規模について
「EC市場は年々拡大している」とよく目にしますが、実際はどのくらいの市場規模になるのか、経済産業省のデータを基に見ていきましょう。
2022年8月に経済産業省から報告された、「令和3年度 電子商取引に関する市場調査 報告書」の2021年における国内のBtoC-EC市場(一般消費者向けの「物販」「サービス」「デジタル」の市場規模の合計)は、前年比7.35%増の20兆6950億円でした。
前年と比べると1兆4171億円の増加となり、巣ごもり需要の拡大による「物販系分野」と「デジタル分野」の市場規模の伸長、コロナ禍で苦戦している「サービス系分野」の好転により、2年ぶりの増加となりました。
また、上記の「物販系分野のBtoC-ECの市場規模」に注目すると、2020年の新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり消費の影響により市場規模が拡大しました。市場規模に対して伸長率は鈍化してはいるものの、増加する結果となりました。
これらの調査結果より、ネットショップへの需要は年々高まっていることがいえます。
また、新規参入事業者も増えており、市場内の競争もまた年々高まっている傾向だといえます。
ネットショップの売上平均
個人でネットショップを開設した方の平均月商データが存在しないため、一概にはいえませんが、下記のアンケート結果を参考とすると、個人でネットショップを開設される場合、月商10万円前後であると推測できます。
参考:ネットショップの運営実態アンケート集計(ECのミカタ)
この実態を知って、ネットショップで生計を立てていくのは難しそうと感じる方もいるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
なぜなら副業として取り組むか、専業として取り組むかによって月商は変わってくるからです。
売上にこだわり熱意を持って運営していけば月商10万円を超えることも可能ですし、これらのショップ運営者に限定したアンケートを取れば売上平均の水準はもっと高くなるでしょう。
売上目標を決める際に押さえておくこと
これからネットショップを開設する方が売上目標を決める際に、以下のことを押さえておきましょう。
- 平均売上データを鵜呑みにしすぎない
- 売上シミュレーションをしておく
平均売上データを鵜呑みにしすぎない
これからネットショップを開設したいと考えている方が目指すべき売上目標についてですが、前章で述べたような平均売上を考慮して目標設定をしようと考えている方がいるかと思います。
勿論その考え方も決して間違いということではありません。ただ、扱う商材や業種、ネットショップの規模などによってネットショップの運営状況が人よって違うため、平均売上データはあまり参考になりません。
そのため、平均売上データの内容はあくまで目安として見ておくくらいに留めておくのが良いでしょう。
売上シミュレーションをしておく
売上目標を考える際には、以下の点を把握してどれくらいの利益が残るかをシミュレーションしておくことが重要となります。
- 商品原価
- 人件費
- 販売促進費
- 出店手数料
今回はShopifyを利用してアパレルを販売するネットショップを想定してシミュレーションしてみます。
販売する商品は1種類のみで、各条件は以下のように仮定します。
- 仕入れ価格: 5,000円
- 1商品の販売にかかった諸経費:1,000円
- 想定利益率:30%
- 販売手数料:0円
※販売手数料については、Shopify Paymentを利用した場合を想定。
※Shopifyは別途月額利用料が発生しますが、売上シミュレーションには利用料は含めない。
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数あるECプラットフォームの中からShopifyがこんなにも選ばれているのか、その理由についてカンタンにまとめてみました。
販売価格は、一般的に以下の内容で求めます。
上記の計算式に条件の数字を当てはめていくと、以下のようになります。
「(5,000 + 1,000) ÷ (1 - 0.3)」= 6,000 ÷ 0.7 ≒ 8,571円
これは利益率30%を実現するためには、8,571円以上の価格で販売する必要があることを示しています。
値段設定については、ユーザーが「払っても良い」と思える限度を超えない範囲で見直しを行っても良いです。
ただ、その際には競合ショップの価格調査や設定金額の妥当性を考慮する必要があります。
これらの価格設定に加えて、人件費や広告費などの諸経費を加えた金額を考慮しつつ、利益を残せるよう調整することで、売上目標を定めることができます。
まとめ
今回は、国内のEC市場規模の現状と国内ネットショップの売上平均の情報、これからネットショップを開設する方が売上目標の決める際に押さえておくポイントを紹介しました。
初めてネットショップを開設する方にとって、いきなり売上目標を決めるのは難しいかもしれません。
ですが、明確な目標が決まることで達成するにはどうすれば良いかや、具体的な手段の検討をすることができます。
無理のない範囲で構わないので、ぜひ目標を決めた上でネットショップ運営をしていきましょう。