個人で越境ECを始めるには?始め方や注意点・メリットを解説

越境ECを個人で始めてみたいけれど、どうやって始めたら良いか分からない方も多いでしょう。
そこで、この記事では個人で越境ECを始めるステップ、注意点、サイト開設でおすすめの方法や個人ならではのメリットをまとめてみました。
この記事を読めば、初心者の方でも個人でできる越境ECの始め方が分かるため、ぜひ参考にしてください。
越境ECとは
越境ECとは、ネットショップを用いて海外に向けて商品を販売することをいいます。
日本のECサイトで海外の顧客向けに商品を販売する場合や、海外のECサイトで商品を購入して日本に取り寄せることも越境ECの一例となります。
個人で越境ECを始めるメリット
個人で越境ECを始めるメリットは主に以下の2つです
- 自由度が高い
- 競合の少ない市場に参入できるチャンスがある
自由度が高い
越境ECを個人で始めるメリットは、自由度が高いことです。
法人で始める場合は経営陣や上司の判断を元に方向性が決まるため、個人のみで事業の戦略や方針を決定できません。
それに対して個人で始める場合は、販売したい商品や集客方法、働く時間も全て自分で決められることが大きなメリットです。
競合の少ない市場に参入できるチャンスがある
競合の少ない市場に参入できるチャンスがあることも越境ECを個人で始めるメリットです。
ニッチな商品でも海外からの需要が高いものであれば、個人でも大きな売上が見込めます。
また、中国やアメリカなどの大きな国ではない地域なら大手が参入していないこともあるため、大きなビジネスチャンスを秘めています。
越境ECを個人で始めるデメリット
個人で越境ECを始めるデメリットは主に以下の3つです
- 関税や税金、法律、規制についての知識を個人で学ぶ必要がある
- 自分自身に外国語のスキルが必要
- 海外輸送の手続きや発送を自分で行う必要がある
関税や税金、法律、規制についての知識を個人で学ぶ必要がある
まず、関税や税金、法律、規制についての知識を個人で学ぶ必要があることが挙げられます。
なぜなら、商品を海外へ販売する場合は関税が発生する場合があることや、そもそも海外へ販売できない商品もあるため、そのような知識を個人で学ばなければいけません。
法人であれば、上司などに知識を教えてもらえますが、個人で始める場合は全て自分で学ぶ必要があります。
自分自身に外国語のスキルが必要
次に、デメリットとして挙げられるのが、自分自身に外国語のスキルが必要であることです。
会社組織なら、外国語に長けたスタッフや外国人スタッフを雇用して体制を整えますが、個人の場合、自分自身が外国語に長けていなければ、顧客からのお問い合わせにスムーズに対応できない場合があります。
海外輸送の手続きや発送を自分で行う必要がある
その他のデメリットとして、海外輸送の手続きや、国際便での発送作業、トラブル対応なども自分で対処しなければなりません。
個人で越境ECを始めるステップ
個人で越境ECを始めるには以下3つのステップがあります。
- 1.販売国と販売商品の候補を探す
- 2.販売できる商品か確認する
- 3.出店するプラットフォームを決める
1.販売国と販売商品の候補を探す
まずは販売国と販売商品の候補を探しましょう。
国や地域によって売れ筋商品に違いがあるため、まずは販売したいと思う国を決めてニーズのある商品の候補を選定しましょう。
国によっては販売できない商品があることや、利益が出せる商品なのか確認する必要があるため候補は複数出しておきましょう。
2.販売できる商品か確認する
次に、販売できる商品なのかを確認しましょう。
スプレー缶や香水に規制がある国もありますし、牛肉が禁制品の国の場合はカップ麺やカレーが販売できないこともあります。
輸出が可能でも、販売するのに許可や申請が必要な商品もあります。
販売商品を決めるときは、そもそも販売できるのかをチェックするようにしましょう。
3.出店するプラットフォームを決める
次に、出店するプラットフォームを決めましょう。
個人で越境ECを始めるなら、参入ハードルの低いECモールの活用がおすすめです。
ECモールの中でも日本のECモールと海外のECモールがあるので違いをみていきましょう。
日本のECモールの活用
1つ目の出店方法に日本のECモールを活用する方法があります。
日本のECモールなので海外の言語に不安がある方は参入しやすいメリットがあります。
例えば「楽天グローバルマーケット」では、楽天市場の商品ページが英語・中国語・韓国語に自動で翻訳される仕組みになっています。
この楽天グローバルマーケットは、アメリカのユーザーが楽天市場を訪問すると「楽天グローバルマーケット」の英語版が表示される仕組みになっています。
すでに楽天市場で出店していれば無料で商品販売を始められます。
海外のECモールの活用
2つ目の出店方法に海外のECモールを活用する方法があります。
海外のECモールは、現地で大きな市場を形成しているモール型ECに出店するやり方です。
その国で大きな市場を形成しているため多く集客できることが大きなメリットです。
日本のECモールといえば、楽天やAmazonがイメージとして出てくると思います。
しかし、中国では「T-mall」、アメリカでは「eBay」など国によって主要市場は変わってきます。
日本国内で、楽天やAmazonで販売されている商品が売れやすいのと同じように、中国では「T-mall」から商品が購入されやすいのです。
そのため、中国で販売するなら「T-mall」、アメリカで販売するなら「ebay」がおすすめです。
個人で越境ECを始める時の注意点
個人で越境ECを始める時の注意点は以下5つあります。
- 正確な翻訳
- 許可証の取得
- 決済方法の確認
- 関税や税金など支払う費用の把握
- 発送を国内か販売国で行うか決める
正確な翻訳
越境ECを行うには正確な翻訳が必要になります。
日本のECモールを行う場合は自動で翻訳してくれますが、海外のECモールで越境ECを行う場合は、それぞれの国で使用されている言語で対応する必要があります。
また、海外の文化や風習によっては正しく翻訳できていないと、本当に伝えたいことが伝わらないこともあります。
もし言語に不安がある場合は、翻訳代行サービスに依頼することで解決することができます。
許可証の取得
越境ECを始めるには、輸出許可証を取得する必要があります。
例えば化粧品をEU加盟国に輸出したい場合はEU化粧品規則、ASEAN加盟国に輸出したい場合はASEAN化粧品指令に則った手続きが必要になります。
また、食料品や化粧品、医薬品などをアメリカに販売する場合はFDA登録する必要があります。
このように、各国によって定められている許可証を取得する必要があるため、越境ECを行う販売国にどの許可証が必要なのか予め調べておきましょう。
決済方法の確認
販売する国で好まれている決済方法を利用しましょう。
例えばアメリカでは安全な決済方法が好まれているため、PayPalが人気の決済方法となっています。
また、中国はモバイル決済やスマホ決済が好まれており、特に利用が多いのはアリペイなどの第三者決済です。
このように、販売する国によって好まれている決済方法が違っているのでその国の傾向に合わせた決済方法にすることで利用者が使いやすいサイトとなり、良い口コミに繋がります。
関税や税金など支払う費用の把握
越境ECを始めるなら関税や税金など支払う費用の把握が重要です。
一般的に関税は購入する輸入者が輸入する国に対して支払うものですが、貿易条件によっては輸出者が支払うこともあります。
また、他国で商品を販売するときはその国に税金を収める必要があることや商品を海外へ輸出する場合は、日本国内へ発送する時よりも高い送料がかかります。
このように商品を販売するまでに多くの費用がかかるため、こういった費用も把握した上で販売時に利益の出せる商品を選定するようにしましょう。
発送を国内か販売国で行うか決める
発送を国内か販売国で行うか決める必要があります。
日本国内から輸出する場合は高い配送料がネックとなるため、大量に商品を販売するなら販売国に在庫を持ち配送するという方法もあります。
販売国で在庫を持つ場合は、購入者へ商品を早く届けられることも大きなメリットになります。
日本国内で自宅を保管場所にする場合は保管費用がかからないため、海外に配送するための関税や配送料、保管費、配送スピードなども考慮した上で発送を国内か販売国で行うか決める必要があります。
まとめ
以上、個人で越境ECを始めるステップ、注意点、サイト開設でおすすめの方法を紹介してきました。
個人ならではのメリット・デメリットを紹介しました。
まとめますと、下記のようになります。
- 越境ECとは、ネットショップを用いて海外に向けて商品を販売すること
- 個人で越境ECを始めるメリットは自由度が高い・成長産業で大きく売上が見込めること
- 個人で越境ECを始めるデメリットは知識・外国語スキル・海外輸送手続きが個人で必要
- 越境ECを始めるステップは、販売国と販売商品の候補を探す、販売できる商品か確認する、出店するプラットフォームを決めるの順番
- 出店するプラットフォームはECモールがおすすめ
- 国内のECでは楽天、アメリカではebay、中国ではT-mallがおすすめ
- 関税や税金など支払う費用に注意点も多い
越境ECでは販売国の言語や文化の理解、決済方法の把握など最初にすることが多く、参入障壁が国内ECと比べ高いです。
裏を返せば新規参入者が増えにくく、ライバルが少ないことが大きなメリットでもありますので、ぜひ今のうちから始めてみましょう。