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中国向けの越境ECの始め方と注意点とは?

更新日: 2023-03-28
中国向けの越境ECの始め方と注意点とは?

国内でECサイトを運営している方々の中には、ゆくゆく越境ECにも力を入れていきたいと考えている方がいるのではないでしょうか。

海外にも自分の商品を販売するルートを開拓することによって、新しいビジネスチャンスを掴むことができます。

しかし、

「どの国のEC市場に参入すればいいのか」

「実際に越境ECを始める時にはどうしたらいいか」

「越境ECを始める時の注意点は何か」

など、疑問点がいくつか思い浮かぶのではないでしょうか。

そこで今回は、中国に的を絞った越境ECの始め方や注意点について解説していきます。

中国向けの越境ECの始め方と注意点とは

中国のEC市場規模について

経済産業省から発表された「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2021年の中国EC市場規模は2兆4,886億USドルで、前年と比べると15.0%の増加と推計しています。

この結果から、今後も中国のEC市場は拡大傾向にあるとされており、2025年には3兆6,159億USドルになると想定されています。

世界のEC市場の規模は約5兆USドル程度とされており、中国のEC市場は、世界全体の約40%を占めていることが分かります。

以上のことから、中国のEC市場への参入は、自社のビジネスを拡大していくチャンスがあるといえます。

中国向けの越境ECの始め方

中国向けの越境ECを始める際には、以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 法律・規制に関するリサーチと手続き
  • プラットフォームの選定
  • 提供する商品・サービスの選定
  • 物流システムの整備
  • 支払い方法の選定

法律・規制に関するリサーチと手続き

法律・規制に関するリサーチや手続きの準備をしておきましょう。

中国に限った話ではありませんが、海外向けに商品を販売する際には、販売に必要な許可証やライセンスが必要となります。

販売する商品の種類や販売数量、使用目的などによって必要な許可やライセンスが異なります。

また、化粧品の販売を検討している事業者の場合、化粧品に含まれている成分が、販売国の成分基準を満たしているかを確認する必要があります。

必要な許可証やライセンスを持たずに販売を行ってしまうと、販売禁止や入国禁止になる恐れもあるため、必要な手続きをあらかじめきちんと把握しておきましょう。

プラットフォームの選定

中国で商品販売を行うプラットフォームの選定をしておきましょう。

中国市場においては、多くのECプラットフォームが存在し、各プラットフォームによって市場規模やターゲット層が異なります。

中でも人気なプラットフォームとしては、以下が挙げられます。

  • 天猫グローバル(Tmall Global)
  • JD.com
  • Kaola(コアラ)

天猫グローバル(Tmall Global)

天猫グローバル

サイトURL:天猫グローバル 公式サイト

「天猫グローバル」は、中国EC市場の中で約60%以上のシェアを占める、アリババグループが運営しているECプラットフォームです。

世界中の有名ブランドが出店している巨大モールであり、日本からも花王やマツモトキヨシなどといった大手企業が出店しています。

JD.com

JD.com

サイトURL:JD.com 公式サイト

「JD.com」は、中国EC市場でおよそ25%ものシェアを誇る、京東グループが運営している越境ECモールです。

国内外の商品を幅広く取り扱っており、2015年には日本製品専門サイト「日本館」のオープンに併せて越境ECに参入する事業者の誘致にも力を入れています。

Kaola(コアラ)

Kaola

サイトURL:Kaola 公式サイト

「Kaola」は、天猫グローバルと同じ、アリババグループが運営しているプラットフォームの一つであり、中国越境EC市場の28%を占める人気の高いECモールです。

海外のブランド商品や健康食品、美容商品、家電製品など幅広い商品を取り扱っています。2017年には日本国内に「HQG Japan株式会社」という日本法人を設立し、日本製品の調達に力を入れています。

国内で集客できている自社ECサイトであっても、中国となるとなかなか集客が見込めない恐れがあります。

そのため、既に自社ECサイトを運営している事業者においても、先ほど紹介した現地のプラットフォームの活用を考えてみましょう。

提供する商品・サービスの選定

中国の消費者のニーズに合う、商品・サービスを選ぶことが必要となります。

国内においてニーズがある商品だとしても、それが中国消費者にもニーズのある商品だと限りません。現地で人気のある商品やトレンドは何なのか、綿密に調査をしておきましょう。

また、越境ECプラットフォームの活用を検討しているならば、各プラットフォームの特色やどんな商品に特化しているのかを知っておくと、参入するプラットフォームを選定しやすくなります。

物流システムの整備

中国に商品を輸出するためには物流システムの整備が必要です。

日本国内から配送するのか、中国内で販売在庫を持ち配送を行うかによって掛かる費用が異なります。

日本国内から配送する場合、中国内から配送するよりも送料は割高になりますが、在庫を保管する費用はかかりません。

逆に、中国国内から配送する場合は、日本国内から配送するよりも送料を抑えられますが、在庫保管に関する費用が発生します。

どのようなスタイルで運営を行なっていくかで、物流システムの整備の仕方が変わってきますので、方針をしっかり検討しておきましょう。

支払い方法の選定

決済手段の選定をしておきましょう。

ポイントとしては、販売を行う国の主流となっている決済手段を導入することが大切です。

これは国内においてもそうですが、普段自分が使っている決済手段がないという理由から商品の購入を諦めてしまうケースが多々あります。

そうしたケースを未然に防ぐためにも、決済手段の選定は重要です。

中国市場においては、アリペイやWeChat Payといった第三者決済が主流となっているため、市場に参入する場合は導入を検討してみてください。

中国向けの越境ECでの注意点

中国向けの越境ECに参入するにあたり、注意すべき点として以下が挙げられます。

  • 言語の違い
  • 税金の取り扱い
  • 不正対策について

言語の違い

中国と日本では、言語や文化に違いがあります。

自社ECサイトを海外仕様にするのも、中国のECプラットフォームに参入するにも、正確な翻訳が必要不可欠となります。

文化や風習の違いによって、言葉のニュアンスが異なってしまうこともあるため、それらを考慮しなければなりません。

また、自社で多言語に精通している人材がいるならば、お客様からのお問い合わせ対応として配置するのが良いでしょう。

もし人材がいないならば、翻訳代行サービスに依頼して、専門言語に特化した人材を配置して対応するのが良いでしょう。

税金の取り扱い

海外で商品を販売するときは、その国に税金を納める義務が発生します。

中国向け越境ECでは、輸入税や消費税、関税などの取り扱いについて注意する必要があります。

商品の輸入に関して輸入税がかかる場合があります。輸入税の計算方法については、商品によってそれぞれ異なるため、取り扱う商品に応じて正確な計算が必要となります。

消費税については、中国政府が設定した税率に基づいて課税されます。

関税は、輸入した商品に基づいて課税されます。

そのため、事前にどのくらいの関税が設けられているのかを調べておく必要があります。

不正対策について

中国向け越境ECに参入するにあたって、不正対策は必須です。

主に以下の点を抑えておく必要があります。

  • ユーザーアカウントのセキュリティ管理
  • 不正アクセスや不正取引の監視
  • 詐欺防止対策

ユーザーアカウントのセキュリティ管理では、不正アクセスやパスワード盗難を防ぐために、セキュアなログインシステムや2段階認証などを導入することによって予防することができます。

また、不正アクセスや不正取引の監視では、アクセスログの監視や取引履歴のモニタリングを行うことによって、不正取引の早期発見・対応を行うことができます。

さらに、詐欺防止対策も大切です。

クレジットカード詐欺や偽物商品の出品を防止するために、品質管理の徹底や、クレジットカード決済時の安全性を確保するようなセキュリティ対策を実施しましょう。

不正対策を徹底することによって、信頼性を高め、ユーザーからの評価や商品購入につなげることができます。

まとめ

今回は、中国向けの越境ECの始め方や注意点について解説してきました。

中国のEC市場は世界的にみて巨大な市場であり、今後の成長も見込めるため、ビジネスを拡大していくチャンスがいくつもあります。

これらのチャンスを掴むためにも、国で定められているルールを守りながら、自社の商品・サービスを活かせる場所を探していくことが重要です。

越境ECについてより詳しい情報を知りたい方は、専門のコンサルティングや越境EC支援サービスを利用するなどして、自発的に情報を取得していきましょう。

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