ECサイトでよくあるトラブル事例とは?具体的な対応策も併せて紹介
ECサイトは実店舗に行くことなく商品を購入できる非常に便利なものですが、その便利さがECサイト特有のトラブルやクレームを生み出すことがあります。
よくある例に商品到着時の破損や、商品イメージと実物の相違などがありますが、近年では新しい支払方法を導入することによるトラブルも多発しています。
そこで本記事では、ECサイトで起こりやすいトラブルとその対応例を4つ紹介します。
また、ECサイト運営でお客様とトラブルになったときの対処法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ECサイトでよくあるトラブルやクレームとその対応
この項目では、ECサイトで起こりやすいトラブルやクレームと、その対応法について紹介します。
紹介する例は下記の4つです。
- 届いた商品が破損していた
- ECサイトの写真と実物が異なる場合
- 商品の配送が遅れた・指定日に届かなかった
- 後払い注文の商品代金が入金されない
届いた商品が破損していた
ECサイトを運営していると、商品が破損した状態でお客様に届いてしまうことがあります。
考えられる主な原因は以下の2つです。
- 自社スタッフの確認不足・梱包時のミス
- 配送会社の配送手続き時に起こるミスやトラブル
お客様に届いた時点で自社ECサイトか配送業者、どちらの過失か確認できないことが多いので、まずは迅速に謝罪することが大切です。
どちらの過失かにこだわって謝罪が遅れると、お客様を必要以上に怒らせてしまうので注意しましょう。
また、商品の破損が判明したときにどのように対応するかも重要です。
すぐに代替品を用意できる商品であれば問題ないですが、一点物の商品をあつかっている場合は特別な対応が必要になります。
この場合、新たに制作可能なら時間をいただいて新たに作り直すか、別の商品を選んでいただいて送り直すか、返金するか、などの対策が考えられます。
お客様に真摯に謝罪しつつ、どのような保障を望むかを確認しましょう。
ECサイトの写真と実物が異なる場合
ECサイトは店舗に移動することなく買い物できることがメリットですが、逆に言えば、商品を手に取ってその場で確認できないというデメリットがあります。
そのため、「写真で見たイメージと実物がちがっているから返品したい」というトラブルは非常に多いです。
このケースは「ECサイトで必ず起こるトラブル」と認識して、しっかりと対策しておく必要があります。
商品イメージと実物がちがうという理由で返品依頼を受けたときは、以下の内容を丁寧に説明しましょう。
- サイト上に商品を完璧に表示するのは非常に困難であること
- お客様が使用しているPCモニターや端末によって表示される内容が変わってしまうこと
上記の内容をしっかりとお客さまに説明し、納得してもらうことが大切です。
「返品に関する注意事項」を購入フォームやトップページに目立つように掲載しておくことも効果があるでしょう。
また、より具体的に商品イメージを伝えるためにさまざまな角度から写真を撮り、キャプションを添えて掲載するのも有効です。
商品の外観やイメージを詳細に伝えることはお客様に安心感を与えることになるため、結果的に購入意欲を刺激することにもつながります。
商品の配送が遅れた・指定日に届かなかった
商品の配送が遅れる、指定日に届かない、といったケースもECサイトではよくあるトラブルです。
通常配送の予定日を大幅に遅れるケースはもちろんですが、特に配送日を指定された商品が期日に遅れるケースは大きなクレームに発展する危険性があります。
お客様は指定した日に届くという前提で予定を考えるので、期日に遅れてしまった場合の対応には注意が必要です。
商品の到着が遅れるケースとして、以下の状況が考えられます。
- 発送手配時に配達日と時間帯の指定を記入し忘れた
- 外部の要因(天災や交通状況など)で到着が遅れた
- 配送業者間の連絡ミス、引継ぎミス
上記の中で、配達日や時間指定を忘れたケースはショップ側のミスです。
お客様に誠意をもって謝罪し、担当は誰だったのか、チェック体制はどうなっていたのかなどを把握し、改善する必要があります。
天災・交通状況などが原因の場合は、「配送に関する注意事項」として、年末年始や大型連休、自然災害が多くなる時期は遅延する可能性があることをサイトに記載しておきましょう。
事前にこれらを掲載しておけば、お客さまに納得していただくこともむずかしくありません。
配送業者が原因の場合はまず業者に確認し、状況を把握した上でお客様に報告します。
原因が配送業者にあったこと、再発防止に努めるよう強く促したことなど、誠意をもって伝え、納得してもらうことが大切です。
後払い注文の商品代金が入金されない
ECサイト運営では支払いのトラブルも少なくありません。
クレジットカード決済や商品発送前の銀行振込であれば問題ありませんが、商品到着後に支払ってもらう後払いには大きなリスクが伴います。
後払いは、購入時点でお金の持ち合わせがなくても商品を注文できるので、お客様にとって利便性の高いサービスです。
ただ、支払うタイミングが商品到着後であることを悪用し、支払いを行わないケースも増えているようです。
もし期日を過ぎても支払いがされないようなら、まずメールでお客様に支払ってもらうよう連絡してみましょう。
支払いを忘れているだけならすぐに対応してくれることが多いです。
連絡しても返信がない場合は、以下の手段を検討してみてください。
- 直接電話してみる
- 内容証明郵便を送る
- 少額訴訟を利用する
ECサイトでトラブルが起こったときの対処法
ECサイトでトラブルが起こったときの対処法は以下のとおりです。
- 記録を残す(基本的にやり取りは形に残るメールやメッセージアプリを利用する)
- 感情的にならず、誠意をもって対応する
- こちらに非があっても不当な要求は断る
- 日頃からクレームやトラブルを予防する
トラブル対応で電話を使うときは、、「言った・言わない」を避けるために電話の通話記録機能やレコーダーで通話を録音しておきましょう。
また、こちらに非があっても、法律上対応義務のない不当な要求は断ることが大切です。
クレームに至ったことは謝罪しつつも、対応できることとできないことを明確に伝えてください。
もし説明後に同じメールを何度も送信してきたり、電話で長時間拘束されたりするようなことがあっても、「先日説明したとおりです」と明確に伝えましょう。
それでもエスカレートしてくるようなら弁護士に相談することをおすすめします。
そして、日頃からクレーム予防やトラブル対策を行うことも重要です。
以下のポイントを押させて事前に防げるようにしておきましょう。
- わかりやすいサイトを作る(商品を詳細に説明する、送料の価格を大きく表示するなど)
- 商品到着遅延の可能性を必ずサイトに明記しておく
- 可能であれば検品・梱包時を撮影しておく
- クレーム・トラブルの対応マニュアルを作成し、スタッフと共有する
まとめ
ECサイト運営でよくあるトラブルには、商品のイメージに関するものや商品の発送に関するものが多いです。
また、近年では利便性の高い後払いサービスの普及による支払いトラブルも多くなっています。
クレームやトラブルは、ECサイトを営んでいく上で、ある程度避けられないことと言えます。
そのため、トラブルやクレームが発生したらまず状況を把握し、クレームに至ったことを謝罪し、素早く問題解決に動きましょう。
その際、先述の対処法を参考にしてみてください。
また、日頃からクレームやトラブル対応をマニュアル化しておくことも重要です。
クレームゼロは現実的にむずかしいかもしれませんが、限りなくゼロに近づけることは可能です。
クレームやトラブルに発展しそうな事例が見つかった場合、すぐに対策を考えてマニュアルにし、スタッフと共有しましょう。