ネットショップが加入するべき損害保険まとめ
「ネットショップをするうえで加入するべき保険って何?」
「どんな保険に入ればいいかわからない」
ネットショップの運営をこれから始める方やすでに運営している方の中で、上記のような疑問や悩みを持っている方も多いのではないでしょうか。
ネットショップを運営していくには、商品の損害や個人情報の漏えいなど様々なリスクがつきものです。
これらのリスクに対して未然に備えられるのが保険です。
保険に加入しておくことで、何らかの損害や損失が出た場合の補填になります。
そこで、この記事ではネットショップが加入するべき保険の種類について詳しく解説していきますので、保険の加入を検討されている方は是非参考にしてください。
ネットショップで考えられるリスクとは?
はじめに、ネットショップを運営する上で考えられるリスクについて考えていきましょう。
商品に関する損害や、個人情報の漏えい、やむを得ない長期休業による損害などさまざまなリスクが考えられます。
それぞれのリスクについて一つずつ深堀していき、どんな保険が必要となるか考えてみましょう。
販売する商品の欠陥等による損害リスク
自社のネットショップで自社の商品または他社の商品のどちらを販売する場合、その商品に欠陥があり消費者に損害が出てしまった場合、販売店に損害賠償が請求されます。
これが自社の商品であれば欠陥に気づくことができたりしますが、他社商品を扱っている場合はなかなか気づきにくいものです。
例えば食べ物を販売するネットショップで、購入した消費者が食中毒になってしまった場合などもこれに該当します。
何らかの欠陥等が原因で消費者に経済的かつ身体的な損失が生じた場合、損害賠償請求されるリスクがあります。
お客様の個人情報の漏えいリスク
ネットショップを円滑に運営していくには、顧客情報の管理が欠かせません。
お客様の住所や名前、電話番号、クレジットカード情報など、自社で所有・使用・管理する個人情報はセキュリティ対策をしっかりしておかないと、漏えいのリスクがあります。
万が一何らかの原因でなくても、顧客の個人情報が漏えいした場合、損害賠償請求を受けるリスクがあるのです。
ネットショップは非対面で商品を売り買いできる便利なものですが、便利さゆえに大規模な損害になってしまうことが影として潜んでいます。
病気や火災、地震などによる急な休業のリスク
ネットショップの運営者が病気になってしまったり、火災や地震などの災害で事務所が焼失してしまったり商品が破損してしまったりと、不可抗力によるリスクがあります。
また商品の運送中の破損や盗難、偶然の事故による損害など、自社の知りえないところで思わぬリスクがあったりもします。
こうしたリスクの補償できるように、保険に加入しておく必要があるのです。
ネットショップで加入するべき保険の種類
ネットショップを運営する上で様々なリスクが考えられると解説してきましたが、これらのリスクに対する加入すべき保険の種類について解説していきます。
PL保険
まず、仕入れた商品を販売したり、自社生産している商品を販売したりしている場合、生産物賠償責任保険(PL保険)に加入する必要があります。
PL保険の適用範囲は保険商品によって様々で、その特徴については後ほど詳しく解説しますが、商品に何らかの問題があり消費者が損失を被った場合に損害賠償を補償してくれます。
自社で生産していなくても、販売店には管理上の責任が問われるので、他社が製造した商品を卸して販売している場合でも加入すべき保険です。
サイバー保険
お客様の個人情報漏えいのリスクを補償するために必要なのが、「サイバー保険」です。
一昔前までは「個人情報漏えい保険」といった保険商品がありましたが、現在では漏えいリスクに加えてサイバー攻撃によるネット障害に対して補償できるようにもなっています。
インターネットを利用して売買をしているからには、ネット上のセキュリティは万全にしておく必要があるのです。
休業補償
PL保険やサイバー保険は、お客様に損害があった場合に、損害賠償を補償するために必要ですが、次に大切なのがネットショップやその運営者に対しての保険です。
病気や火災、地震などによって休業を余儀なくされた場合や、運送中の事故や盗難等により補償が必要となった場合に必要なのが、「火災保険」や「休業補償」です。
会社の資産が損害してしまった場合の補填として、お客様への損害の次に考える必要がありますので、多角的にバリアを張っておく意識を持っておきましょう。
ネットショップのPL保険の特徴
わが国では、商品やサービスに欠陥と事故に因果関係があれば、事業者の過失が証明されなくても損害全体の責任を負う「PL法」というものが制定されています。
そのため、商品を販売するネットショップの運営者はこのPL法を理解し、PLリスクへの対応が必要になるのです。
ここからは様々な保険商品があるPL保険の特徴について解説していきます。
自社で生産していない場合でも保険が適用される
PL法では、自社生産・他社生産に関わらず、消費者に商品が原因で何らかの損失があった場合に、販売を行った会社が損害賠償を負うリスクがあります。
PL保険に加入しておけば、自社で生産していない場合でも保険が適用されます。
保険金が支払われる主な対象としては、以下の場合が挙げられます。
- 他人の生命や身体を害した場合
- 他人の財物を損壊(滅失、破損、汚損、もしくは紛失すること)場合
ネットショップ側が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して、保険金が支払われます。
手軽な保険料から加入できる保険商品がある
PL保険ときくと、月々の保険料が高そうなイメージがありますが、保険商品によっては月々500円など、手軽な保険料から加入できるPL保険があります。
ネットショップの年間売上高や、扱っている商品の規模などによって保険料は異なりますので、自社の規模に合った保険でリスク対策が可能です。
クレジットカードの不正利用などに対してもカバー可能
ネットショップでよく利用されるのが「クレジットカード決済」ですが、近年、第三者によるクレジットカードの不正利用が目立っています。
実はクレジットカードの不正利用が発覚した場合、カードの所有者がカード会社に対して請求を拒否する「チャージバック」ができるようになります。
これにより消費者側がクレジットカードを不正に請求されることは防げます。
ですが、商品をすでに発送しているのにもかかわらず請求ができず、ショップ側が損害をこうむってしまう可能性があるのです。
これを、「チャージバック損失」といいます。
PL保険では、商品にもよりますが、クレジットカードの不正利用によるチャージバック損失に対しても保険金が下りるものも有ります。
この保険に加入しておくことで回収できなかった商品代金を補填してくれるので、損失リスクが軽減されるので、是非加入しておきたいです。
ネットショップが保険に加入する際の注意点
PL保険やサイバー保険等様々な保険に加入することは、ネットショップを運営する上でとても大切ですが、加入する際に気を付けておきたい注意点を解説します。
保険商品の約定にも記載されていることが多いですが、そのほとんどで記載されているのが、故意または重大な過失などにより、法令に違反して販売などを行った結果で損害を消費者に与えた場合は、保険金が下りない可能性があります。
また、その他にも生産物や販売商品の効能・性能に関する不当表示または虚偽広告等で、消費者に損害を与えた場合も保険金が下りることはありません。
その他にも様々な理由により保険金が降りない可能性がありますので、加入を検討している保険の中身を必ずチェックしておきましょう。
【まとめ】保険に加入してネットショップのリスクを軽減しよう
いかがでしたでしょうか?この記事では、ネットショップの加入するべき保険について解説してきました。
ネットショップで商品を販売する場合、様々なリスクが伴います。そのリスクによって消費者側に大きな損害を与えてしまった場合、その責任はネットショップに課せられることが多いです。
そうしたリスクを少しでも補填するために、「PL保険」や「サイバー保険」「休業補償」などの保険に加入しておくことが大切です。
ネットショップを対象とした保険商品は数多くありますので、複数の保険会社の見積もりを取って比較し、自社に合った保険商品でリスクに備えましょう。