アパレルECの利益率は?利益率の高い商品や利益率の高め方を紹介
アパレル商品のECを始めてみたいけど、そもそもアパレルECで利益を出しながら運営していけるのか不安な方も多いでしょう。
そこで、この記事ではアパレルECの利益率の平均や利益率の高い商品、利益率を高める方法をまとめてみました。
この記事を読めば、アパレルECの利益率の具体例、販売商品の選定方法、確実に利益を出しながらアパレル商品を販売する方法が分かるためぜひ参考にしてください。
利益率とは
利益率とは、売上に対する利益の割合のことを言います。
利益率には「売上総利益÷売上高×100」で求められる売上高総利益率、「営業利益÷売上高×100」で求められる売上高営業利益率などがあります。
売上高総利益率
売上高総利益率は、売上総利益が売上に占める割合を求めるものです。
売上高総利益を見ることで、販売している商品からどれだけ稼いでいるかが分かります。
また、売上高総利益は、別名「粗利」とも呼ばれているため、売上高総利益率=粗利率と表記されることもあります。
「売上高総利益率」を計算する式は以下のようになります。
例えば4,000円で仕入れた商品を6,000円で販売した場合、売上総利益は2,000円となります。
この場合の売上高総利益率は「売上総利益2,000円÷売上高6,000円×100」=約33.3%になります。
売上高営業利益率
売上高営業利益率は、営業利益が売上に占める割合を求めるものです。
営業利益は、売上から仕入れ金額、販売費及び一般管理費などの費用を差し引いた金額を指します。
そのため、売上高営業利益率の割合を見れば、本業としてどれだけの利益を出しているのかが分かります。
「売上高営業利益率」を計算する式は以下のようになります。
例えば当期の売上高は4,000万円、売上総利益は1,500万円、販売費及び一般管理費は1,000万円だった場合の売上高営業利益率は営業利益=1,500万円-1,000万円=500万円
「営業利益500万円÷4,000万円×100」=12.5%になります。
このように、利益率は売上総利益に「販売費及び一般管理費」を含むか等の視点で種類が変わってきます。
アパレルECの利益率の平均
それではアパレルECの利益率の平均はいくらなのでしょうか。
下記の表は、フルカイテン株式会社がアパレルを中心とする小売企業41社・190ブランドのECの売上総利益率を調査した結果となります。
参照:【フルカイテン】アパレルECと利益構造を調査(ECのミカタ)
こちらの表を参考にすると、アパレルECの売上総利益率の平均は、50%前後であると考えられます。
楽天は粗利率の最小値のマイナス部分が結構あり、粗利率の平均値を下げているため今回は除いています。
利益率の高い商品とは
アパレルECで利益率の高い商品は、主にオリジナル商品です。
オリジナル商品は、独自性が高いため競合との価格競争に巻き込まれずに自分自身で価格を設定しやすくなるからです。
また、オリジナル商品は生産・製造過程でかかる費用の管理がしやすいことや、大量生産により原価を抑えやすい特徴があります。
オリジナル商品を販売するには、自社工場を必要としないOEMがおすすめです。
OEM
OEMは「Original Equipment Manufacturing」を略した言葉で、日本語にすると他社ブランドの製品を製造することを指します。
何か商品を作成したいと考えた際、自社で工場がないと商品化することができません。
OEMを利用することで製造部分だけを業者に任せることができます。
費用の目安ですが、中国製のレディースのカットソーを依頼した場合、平均の製造単価はおよそ2,400円です。
発注ロットを増やすことで、1着あたりの製造単価を抑えることができますので、売れ始めたら発注数を多くするのが良いでしょう。
利益率を高めるにはどうしたら良いのか
アパレルECを安定して運用するには利益率を高める必要があります。
上記で説明した「売上高営業利益率」に着目すると販売費及び一般管理費を下げることも利益率を高めるのに有効な方法となります。
利益率を高める方法は主に以下の方法が挙げられます。
- 販売価格を上げる
- 仕入れ価格を下げる
- まとめ売りセットを作る
- プラットフォームの見直し
- 広告費の削減
販売価格を上げる
まず1つ目の方法として、販売価格を上げることで利益率を高めることができます。
全ての商品の価格を上げてしまうと顧客離れを起こすリスクがありますが、値上げをした分、送料無料やアフターサービスなど付加価値をつけることで、顧客離れを防ぐことができます。
顧客離れを起こさずに販売数をキープすることができれば、総販売金額の上昇に繋がり、利益率を上げることができます。
仕入れ価格を下げる
仕入れ価格を下げることでも利益率を高めることができます。
オリジナル商品をOEMで作成する場合は、相見積もりや価格交渉で値下げをしてもらう方法があります。
オリジナル商品を扱わない場合は、卸売業者から仕入れていたものをアパレルメーカーから直接仕入れができるように切り替えることができれば、中間コスト削減に繋がり仕入れ価格を下げることができます。
アパレルメーカーと直接契約するには、年に数回開催される展示会などに足を運び、メーカーの担当者との商談を経て商品を買い付ける方法があります。
まとめ売りセットを作る
まとめ売りのセットを販売することで利益率を高めることができます。
例えば、おしゃれな服の組み合わせ方が分からない人向けに「おしゃれに見えるインナー・アウター・ボトムスの3点セット」を販売することで購入意欲を上げられる他、販売者側は、「まとめて配送できる・利益率は高いが売れにくい商品もまとめて販売できる」等のメリットがあります。
ECサイトの見直し
ECサイトにかかる費用を下げることでも利益率を上げることができます。
ECサイトの種類は主に、自社独自で運営するECサイトである「自社ECサイト」、多数の企業や商店のECサイトが集まったインターネット上の商店街である「モール型ECサイト」があります。
仮にモール型ECサイトで出店したい場合は、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどがあります。
もし楽天市場のスタンダードプランで出店する場合、月額費用が5万円前後かかりますが、Yahoo!ショッピングは月額費用無料で出店することができます。
このように、販売したい金額や規模によってECサイトを見直すことも利益率を上げるために有効です。
広告費の削減
広告費を削減することで、販売費を下げることができ、結果的に利益率を高めることができます。
広告費を削減するには、ショップのリピーターを増やすことが重要です。
リピーターを増やすことで、広告を打たなくても集客できるようになり、費用削減に繋がります。
リピーターを増やすには、会員限定のクーポンを作ることや、お店独自のサービスを設けるなどの工夫が必要です。
まとめ
以上、アパレルECの利益率の平均、利益率の高い商品や利益率を高める方法を紹介しました。
まとめますと、下記のようになります。
- アパレルECの利益率はおおよそ50%前後
- アパレルECで利益率の高い商品は、オリジナル商品
- オリジナル商品を販売するには、自社工場を必要としないOEMがおすすめ
- 利益率を高める方法は販売価格を上げる・仕入れ価格を下げる・まとめ売りセットを作る・プラットフォームの見直し・広告費の削減などがある
アパレルECでは店舗販売と異なり、24時間365日、場所にとらわれずに商品を販売できることが大きなメリットです。
店舗販売の場合は販売員の確保が必要ですが、ECサイトならサイト運営者のみで行うことも可能で多額の人件費をかける必要もありません。
今まで解説した内容を踏まえて利益の出るアパレルECを作り上げましょう。