化粧品をネット物販するには?OEM販売の方法や気をつけるポイントを紹介
化粧品市場は、2022年に経済産業省が発表した『令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)』の調査によると、2019年から2021年にかけて「化粧品・医薬品」のBtoC-EC市場規模は年々成長しており、今後の市場成長も期待されています。
こうした背景から、化粧品のネット物販を始めたい事業者は多いのではないでしょうか。
しかし、検討されている事業者の中には、
「自社のオリジナルブランド商品がない」
「商品アイデアはあるけど実現する手段がない」
「極力、在庫は持ちたくない」
など、可能な限りリスクを減らして、スモールスタートでビジネスをしていきたいと思うでしょう。
こうした不安を解決する方法としておすすめしたいのが、OEM販売です。
この記事では、化粧品をOEM販売する方法や、販売するときに気をつけるべきポイントを紹介していきます。
OEM販売とは
OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の頭文字をとった生産に関する用語です。
日本語では「オリジナルの製造業者」と直訳することができ、製品を製造している企業が自社のブランド名で販売するのではなく、他社のブランド名で販売することを指します。
製造するための手段がない事業者やオリジナルのブランドを作りたいと考えている事業者にとっては、OEM販売はとても有効な手段であるといえます。
化粧品OEMのメリット
化粧品OEMのメリットとして、以下が挙げられます。
- 化粧品製造のノウハウがなくても自社ブランドを販売できる
- 製品開発に関するコストや時間を削減できる
- 在庫を抱えるリスクを軽減できる
化粧品製造のノウハウがなくても自社ブランドを販売できる
化粧品製造に関する知見やノウハウを持っていなくても、OEMを利用することによって自社のオリジナルブランドを販売することができます。
化粧品の製品開発には以下のような知識が必要とされています。
- 化学知識
- 材料知識
- 生物学的知識
- 製造技術
- 市場動向やトレンドに関する知識
- 法規制に関する知識
専門的な知識を一から学んで製品開発を行うのは、時間的コストが非常に掛かるため現実的ではありません。
化粧品OEMメーカーを利用することで、足りていない専門的な技術やノウハウを補完することができ、最小限のコストでオリジナルブランドの製品を販売することができます。
製品開発に関するコストや時間を削減できる
化粧品のOEMを利用することによって、製品開発に関するコストや時間を削減することができます。
前節でも触れていますが、化粧品の製品開発には多くの知識や技術が必要となります。
自社でこれらを賄おうとするとコストや時間がどうしてもかかってしまいます。
しかし、化粧品OEMを利用することでこれらのコストを削減でき、OEMの形態によっては既に製造された製品の販売だけで済ますことができるため、開発コストを抑えることができます。
在庫を抱えるリスクを軽減できる
注文数のみで必要数量の製品を製造して納品してもらえるため、大量の在庫を抱えるリスクを軽減することができます。
OEMメーカーは、小ロット生産に対応している場合が多いため、生産量に応じて柔軟に調整することができます。
ゆえに、多くの在庫を確保しておく必要や大量発注をしなければならないというリスクを軽減できるため、販売業務に専念することができます。
化粧品のOEM販売の流れ
化粧品のOEM販売の一般的な流れは、以下のようになります。
- 目的や要望のヒアリング
- 製品開発
- サンプル作成
- 製品の生産
- 製品の販売
なお、上記の流れは、OEMメーカーによってプロセスが異なる場合があるため、詳細は利用するOEMメーカーに確認しておきましょう。
目的や要望のヒアリング
まず、商品のコンセプトや商品販売後のゴール、要望をOEMメーカーに伝えましょう。
- どのような商品を作りたいか
- どういうターゲット層に届けるための商品なのか
- 実現するためにどのくらいの予算をかけられるか
など、商品に関する要望だけでなく、何のために商品開発を行い、誰に対して届けたいかを事前に話し合っておきましょう。
目的やターゲット層が明確になれば、自ずとどういう商品を作りたいのかもより鮮明になってきます。
製品開発
OEMメーカーはヒアリングの内容をもとに、製品開発を進めます。
商品設計や開発、材料の調達、製造方法の検討などを行い、商品の仕様を決めます。
目的・要望がしっかり詰められていると、製品開発もスムーズに進めることができ、理想とする商品により一歩近づくことができます。
サンプル作成
商品の仕様が決まったら、実際の商品のサンプルを作成します。
サンプル品を評価し、修正が必要な場合は再度サンプルを作成し、完成度の高い商品を作っていきます。
製品の生産
商品の仕様が確定したら、いよいよ製品を生産します。
OEMメーカーは、商品の製造から検品、包装などを行い、商品を納品します。
納品された商品を自社のブランド名で販売していきます。
製品の販売
製品の生産が完了し、商品が納品されたら、自社のネットショップやECモールなどの販売チャネルを通じて販売していきます。
化粧品のOEMメーカーを選ぶ際のポイント
化粧品のOEMメーカーを選ぶ際のポイントとして、以下が挙げられます。
- 品質管理体制
- 生産能力
- 提供サービスの内容
- 利用価格
- サポート体制
品質管理体制
製造工程での品質管理体制が整っているか確認しましょう。
製品に対する品質基準や試験方法などが明確に定められているか、また品質保証体制が整っているかを確認することが必要です。
生産能力
化粧品OEMメーカーの生産能力は、製品の生産や製品の安定供給に大きく関わってくるため、確認すべきポイントの一つです。
受注数や生産ラインの数、生産設備の状況などを確認し、自分たちのコンセプトに沿った商品を生産することができる能力を持っているかを確認しておきましょう。
提供サービスの内容
化粧品OEMメーカーによって提供するサービスが異なっているため、サービスの内容を把握しておきましょう。
OEMメーカーによって、製品設計や開発から製品の生産、販売支援までを一貫して提供しているメーカーもあれば、製品生産のみを行なっているメーカーもあります。
自分たちのショップのニーズに合ったサービス内容を提供しているメーカーかどうかを確認して選ぶことがポイントです。
利用価格
OEMメーカーの利用価格が、自社の製品の販売価格に合致しているかどうかを確認しておきましょう。
価格が高すぎる場合は、ショップの利益率が低下してしまう恐れがあり、また価格が安すぎてしまうと自社のニーズに合うサービスが提供されていなかったりする場合もあります。
品質や製品開発力、製造能力などを総合的に判断し、適正な価格帯かどうかを確認することがポイントです。
サポート体制
OEMメーカーが提供するサポート体制が、自社のニーズに合致しているかどうかを確認しましょう。
商品開発のサポートや技術的なサポート、品質管理のサポートなど、自社が求めるサポートが適切に提供されているかを確認しておきましょう。
化粧品のOEM販売で大切なのは企画力
化粧品のOEM販売において、企画力は重要なポイントです。
OEM商品としてどんなに優れていても、顧客ニーズに合わないものであったり、トレンドに合わない商品であったりすると、ユーザーのもとへ届けることができません。
ユーザーが欲しているものは何なのか、一人でも多くのユーザーに届けるにはどうしたらいいのかを常に考え、顧客満足度を高めるための施策を打ち出していくことが重要です。
まとめ
今回は化粧品をOEM販売するための基本情報や気をつけるべきポイントを紹介してきました。
化粧品に関する知識や技術がなくても、OEMを用いることによって低コスト・低リスクでオリジナル商品を作成して販売することができます。
これからネットショップで化粧品販売を検討されている方は、ぜひOEMを検討してみてください。