ECサイトで売上アップにつながった成功事例とは?有効な施策も紹介
近年、ECサイトを構築するサービスが充実してきたことで法人・個人を問わず、さまざまな業界・業種でネットショップが開業されています。
ただ、ECサイトの構築やネットショップの開業が簡単になったとはいえ、その後しっかり売上を確保していけるかは別問題です。
また、すでにECサイトを運営している人の多くは「もっと売上をアップさせたい!」とさまざまな努力を重ねていることでしょう。
そこで本記事では、ECサイトの売上アップに必要なことやポイントを踏まえ、売上アップに成功したECサイトの事例を紹介します。
ECサイトの売上をアップさせるために必要なこと
まず、この項目でECサイトの売上アップに有効な施策とおさえておくべきポイントについて紹介します。
有効とされる施策やポイントをおさえておけば、成功事例を参考にするときの理解も早くなります。
ECサイトの売上アップに有効な施策
ECサイトの売上をアップさせるために有効とされる施策は以下のとおりです。
- 自社ショップだけでなく、ECモールにも出店してネット上の販売窓口を増やす
- オムニチャネル(実店舗・ネットショップ・SNSアカウントを連携させること)を展開する
- 自社ショップを海外のモールに出店する(越境EC)
- 自社メディアを構築し、情報を発信する(コンテンツマーケティングの導入)
- マーケティングオートメーションを導入する
- ECアプリを導入する
- 主要SNSを活用し、積極的な情報発信と顧客とのコミュニケーションを充実させる
国内モールへの出店や越境ECと呼ばれる海外モールへの出店は、販売窓口を増やすことができ、国内外のさまざまなユーザーにアプローチできます。
また、オムニチャネルのように自社のチャネル(集客経路)を連携させることで、ネットショップで購入した商品を実店舗で受け取り、送料を無料にするといった対応も可能です。
SNSやオウンドメディアを使った情報発信については、現在では常識になりつつあります。
今はあらゆる商材でECサイトが乱立しているため、ユーザーの訪問を待っているだけでは売上アップが見込めません。
SNSや自社コンテンツを発信することによって、ユーザーに積極的にアプローチしなければ集客できません。
ECサイトの売上アップにおさえておくべきポイント
ECサイトの売上をアップさせるためにおさえておくべきポイントは以下のとおりです。
- ユーザーの不安を払拭するための工夫を欠かさない
- ユーザーがECサイトを訪問して商品を購入し、リピーターになるまでのストーリーを設計する
- 検索エンジンからの流入を増やすためにSEO対策を行う
ECサイトの売上アップにはユーザーが抱く不安の払拭が欠かせません。
ECサイトの弱点である「商品を手に取れない」「質感やサイズ感を確認できない」といった不安は可能なかぎり排除する必要があります。
そのため、サイズや使用シーンをイメージできる画像や動画、テキストを載せたり、ほかの購入者からのレビューを載せたりなどの工夫が大切です。
また、運営会社の情報や、送料・返品に関する情報をわかりやすい場所に明示しておくことも不安の払拭に役立つでしょう。
購買ストーリーの設計については、自社サイトのターゲットとなるユーザーの生活パターンや好む情報のジャンル、よく利用するSNSなどを想像するのがおすすめです。
「自社サイトで買い物したくなるときはどんなときか?」が分かれば、どこに広告を出稿すべき媒体や、どのようなコンテンツをECサイトに掲載すべきかがわかります。
ECサイトの売上アップ成功事例
この項目では、ECサイトで売上アップを達成した成功事例について紹介します。
紹介する事例は下記の2例です。
- SY32 SWEET YEARS
- 北欧、暮らしの道具店
自社ECサイトで参考になる事例や施策がないか、確認してみてください。
SY32 SWEET YEARS
サイトURL:https://www.sy32.jp/
「SY32SWEET YEARS」は、ファッション性・デザイン性を加えた機能性の高いスポーツウェアをあつかうイタリアンカジュアルブランドです。
商品のクオリティが高いため、もともとある程度の売上があったのですが、さらなる売上アップのために下記の施策を実施しました。
- 既存顧客のニーズを掘り起こすためのメルマガ配信
- トップページや商品の一覧ページにカラーバリエーションを表示
- サイトへの訪問者数を増やすために福袋商品を提供(興味をそそる福袋を用意することで注目を集め、サイトの訪問者数を増やしてほかの商品の購入に結びつける)
- 決済方法にAmazon Payを導入(カード情報や送付先住所入力といっためんどうな入力の手間を減らすことで、購入率の向上・離脱率の低下をねらう)
カラーバリエーションの表示については、該当商品のカラーバリエーションを一目で確認できるため、ユーザーがサイト上を回遊して確認しなくても済みます。
その場ですべてのカラーを確認できるので「この商品のブルーがカッコいいな」と購入につながります。
これらの施策を実施した結果、前年比500%以上の売上アップを達成したそうです。
実施した施策のひとつひとつが有機的に連携したことで売上がアップした成功事例です。
北欧、暮らしの道具店
サイトURL:https://hokuohkurashi.com/
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧の雑貨やインテリアを中心に販売しているECサイトで、メディア戦略とECアプリで大きな成果を出したネットショップとして有名です。
サイトのコンセプトは「北欧のおしゃれな雑貨やインテリアを好きなだけ眺められる雑誌に、カートと購入ボタンをつけてみた」というものです。
商品をただ選んで購入してもらうだけの一般的なネットショップではなく、「北欧の雑貨やインテリアについて楽しく学びながら欲しい商品を探して購入する」というイメージを大切にしています。
このコンセプトで運営した結果、おしゃれな雑貨やインテリア好きなユーザーを数多く集めることに成功しました。
2016年7月時点のサイトの月間アクセス数は約1200万PV、月間訪問者数は100万人を超えたそうです。
Instagramにいたっては、2022年9月時点でのフォロワー数は約124.2万人です。
これらの実績からメディアECでもっとも成功したECサイトとして認知されています。
もともとこれだけの成功を収めていた「北欧、暮らしの道具店」ですが、ECアプリを導入したことでさらに売上をアップさせています。
「北欧、暮らしの道具店」のECアプリは、ECサイトの商品ページ、コラム、動画、ポッドキャストといった豊富なコンテンツが利用可能です。
2020年4月の提供開始から約2年で200万ダウンロードされています。
この利便性が高いECアプリの提供はSNS以外の集客経路を確保することにもつながり、アプリ提供前の売上は約27億円だったのに対し、アプリ提供後は1.7倍増の45.3億円にアップしました。
まとめ
ECサイトで売上アップを狙うとき、扱う商品や業種によってさまざまな方法があります。
複数ある施策の中で、自社ECサイトに合いそうな方法をいくつかチョイスしてバランスよく取り組んでいきましょう。
また、売上アップを達成している成功事例は、みな「ユーザーに価値を提供する」ことに全力で取り組んでいました。
ユーザーに価値を提供するためには、自社ECサイトに適した方法でメリットを与えられる施策を実践し、継続していくことが大切です。