Shopify多言語対応完全ガイド|Translate & Adaptの使い方・SEO・運用を解説
ShopifyのTranslate & Adaptを使った多言語対応の手順、hreflangによるSEO設定、翻訳品質の高め方を徹底解説。越境ECや訪日外国人向けにグローバルなストア展開を目指す事業者の疑問をまとめて解決します。
はじめに
海外の顧客を獲得したい、あるいは訪日外国人向けに日本語・英語の両対応ストアを作りたい——そんな EC 事業者にとって、「多言語対応」は避けて通れない課題です。
Shopify には公式の翻訳アプリ「Translate & Adapt」が無料で提供されており、追加の開発コストをかけることなく本格的な多言語ストアを構築できます。しかし、設定の手順や SEO への影響、翻訳品質の維持方法など、実際に運用するうえで迷うポイントも多くあります。
本記事では、Shopify の多言語対応を初めて検討する方から、すでに基本設定を終えてさらに最適化を図りたい方まで、必要な情報を網羅的に解説します。
Shopifyで多言語対応が必要になる主なケース
多言語対応を検討する背景はさまざまですが、代表的なケースを整理します。
| シナリオ | 対応言語の例 |
|---|---|
| 日本から英語圏へ越境EC展開 | 日本語 → 英語 |
| インバウンド需要(訪日客向け)の取り込み | 日本語 + 英語・中国語・韓国語 |
| 東南アジア市場への進出 | 日本語 + タイ語・インドネシア語など |
| 欧米ブランドの日本語ローカライズ | 英語 → 日本語 |
多言語対応は単なる「翻訳」ではなく、各市場の文化・慣習に合わせたコンテンツの「ローカライズ」も含みます。商品説明の表現、通貨表示、サイズ表記の単位など、細かな調整が購買体験の質を大きく左右します。
Shopify Translate & Adaptとは?
Shopify Translate & Adapt(トランスレート&アダプト)は、Shopify が提供する公式の翻訳・ローカライズアプリです。
主な特徴
- 無料で利用可能: アプリ自体の費用は発生しません
- 自動翻訳は2言語まで: Shopify による機械翻訳は最大2言語に対応。3言語目以降は手動翻訳または外部ツールとの連携で対応します
- 手動翻訳は言語数無制限: 手動でテキストを入力すれば何言語でも追加可能です
- 並列エディタで確認しやすい: 原文と翻訳文を横並びで確認・編集できるため、翻訳漏れや誤訳を発見しやすい設計です
- テーマエディタと連携: テーマのセクションや設定をそのまま翻訳エディタで編集できます
出典: Shopify Translate & Adapt - Shopify App Store
翻訳できるコンテンツの範囲
Translate & Adapt では以下のコンテンツを翻訳対象にできます。
- 商品タイトル・商品説明文
- コレクション名・説明文
- ブログ記事・固定ページ
- ナビゲーション・メニュー
- テーマのテキスト(ボタン・ラベルなど)
- メタタイトル・メタディスクリプション(SEO 用)
- メール通知文
決済フローは Shopify 側で言語を自動検出するため、別途対応は不要です。
Shopify多言語対応の設定手順
実際の設定は次のステップで進めます。
Step 1: 言語を追加する
- Shopify 管理画面 →「設定」→「言語」を開く
- 「言語を追加」をクリックし、対応する言語を選択
- 必要に応じて、Shopify による自動翻訳を有効化(最大2言語)
Step 2: Translate & Adapt アプリをインストール
- Shopify App Store から「Translate & Adapt」を検索してインストール
- 対象言語を選択し、翻訳エディタを開く
- 自動翻訳を適用後、商品説明などの重要コンテンツを手動で確認・修正
Step 3: ドメインまたはサブディレクトリで言語 URL を設定
多言語サイトの URL 構造は SEO に直接影響します。Shopify では以下の方式を選べます。
| URL 形式 | 例 | 特徴 |
|---|---|---|
| サブディレクトリ | example.com/en/ | 設定が容易。ドメインのオーソリティを共有できる |
| サブドメイン | en.example.com | 市場ごとに独立した運用が可能 |
| 別ドメイン | example.co.uk | 地域ブランドを明確に分けたい場合に有効 |
出典: Shopify Help Center | Domains and languages for markets
新規に多言語対応を始める場合は、管理の手間が少ないサブディレクトリ方式から始めるのが一般的です。
Step 4: テーマ上で言語切替スイッチを設置
多くの Shopify テーマには言語セレクターが標準搭載されています。テーマエディタの「ヘッダー」または「フッター」セクションから有効化できます。
多言語SEOで押さえるべきポイント
多言語サイトでは、SEO 設定を誤ると「どの言語のページをインデックスすればよいか分からない」とGoogleに判断され、検索流入が分散・低下するリスクがあります。
hreflang タグの自動設定
Shopify では、言語を追加すると hreflang タグが自動でページに挿入されます。これにより、各言語ページの対応関係を検索エンジンに正確に伝えることができます。
- 自動設定はデフォルトでオン
- オフにしたい場合はShopify管理画面の「設定」→「マーケット」→「各種設定」(またはテーマコード内)から調整可能です
- サイトマップにも各言語 URL が自動反映される
出典: Turn automatic hreflang tags on or off - Shopify Changelog
メタタイトル・メタディスクリプションも必ず翻訳する
商品説明文は翻訳しても、メタタイトルや説明文を翻訳し忘れるケースが多く見られます。検索結果に表示されるこれらのテキストを各言語で最適化することで、ターゲット市場での CTR(クリック率)改善につながります。
Translate & Adapt の翻訳エディタで「SEO」フィールドを忘れずに確認しましょう。
各言語ページで重複コンテンツを避ける
機械翻訳をそのまま公開すると、品質の低いコンテンツとして評価されるリスクがあります。特に重要なランディングページや商品詳細ページは、ネイティブチェックを経て公開することを推奨します。
翻訳品質を高めるコツ
機械翻訳は「下書き」として活用し、次の方法で品質を高めましょう。
プロの翻訳者に発注する部分を絞る
すべてのコンテンツを人力翻訳する必要はありません。優先度を分けて対応するのが現実的です。
- 最優先(人力翻訳推奨): トップページ、ブランドストーリー、主力商品の商品説明、利用規約
- 次点(機械翻訳 + 確認): カテゴリページ、FAQ、ブログ記事
- 機械翻訳のみでも可: システムメッセージ、エラー文言、ボタンラベル
用語集・スタイルガイドを整備する
ブランド固有の用語(商品名、サービス名、キャッチコピーなど)は翻訳者や機械翻訳に任せず、用語集を用意して統一表記を徹底します。Translate & Adapt の「メモ」機能を活用して注釈を残すと、複数人での翻訳管理がスムーズになります。
ネイティブによるレビュー体制を整える
クラウドソーシングサービスや翻訳会社を活用して、公開前にネイティブスピーカーのレビューを挟む体制を整えましょう。特に英語圏・中国語圏向けは市場規模が大きいため、初期投資の価値があります。
Shopify Marketsとの組み合わせで実現できること
多言語対応を「言語」だけの設定にとどめず、Shopify Markets(マーケッツ)と組み合わせることで、より本格的なグローバル展開が可能になります。
| 機能 | Translate & Adapt | Shopify Markets |
|---|---|---|
| 言語の翻訳 | ◎ | ─ |
| 通貨の自動換算・表示 | ─ | ◎ |
| 地域別の価格設定 | ─ | ◎ |
| 地域別ドメイン管理 | ─ | ◎ |
| 地域別の送料・税設定 | ─ | ◎ |
言語と地域設定(通貨・価格・送料)を組み合わせることで、海外の購入者が「自国の言語で、自国通貨で購入できる」自然な体験を提供できます。これはカート離脱率の低減と CVR 改善に直結します。
まとめ
Shopify の多言語対応は、公式の Translate & Adapt アプリを活用することで、追加費用なく実装できます。ポイントをまとめます。
- Translate & Adapt は無料: 自動翻訳は2言語まで、手動翻訳は無制限
- hreflang タグは自動設定: SEO 面でのリスクを最小化できる
- 翻訳品質は優先度をつけて管理: 重要ページほどネイティブレビューを
- Shopify Markets と組み合わせる: 言語+地域設定でより完成度の高いグローバル体験を実現
多言語対応を正しく設計・実装することで、国内だけでなく海外市場への扉を開くことができます。
FASTMAKE では、Shopify を活用した多言語・越境 EC ストアの構築から SEO 対策・運用支援まで一貫してサポートしています。多言語対応のご相談はお気軽にお問い合わせください。