IKEAのオムニチャネル成功事例を解説
IKEAはスウェーデン発祥の家具・インテリア雑貨を扱う企業で、世界中で展開しています。
低価格帯の商品を中心に取り扱っており、自分で組み立てるタイプの商品が多いことで知られています。
また、店内にレストランやキッズスペースなどを設置しており、家族連れでも気軽に楽しめる場所として親しまれています。
このように家具を気軽に楽しみたい若年層や、家族連れなどのファミリー層をターゲットに、店舗に商品を見に行き、購入してそのまま家に持ち帰ってもらうという欧米と同様のスタイルを日本でも行っていたIKEAですが、2017年にECサイトを公開しました。
ECサイトをオープン以降はオンラインでも商品購入が可能になり、ECからの売り上げが毎年右肩上がりに増加しました。
こうした点が広く業界内外で知られることとなり、IKEAの手法に注目が集まっています。。
この記事では、そんなIKEAのオムニチャネル化と、ECでの成功の要因を探っていきます。
オムニチャネルとIKEAとの相性
複数の販売チャネルを利用するオムニチャネルとIKEAの商品との相性は、バツグンに良いというわけではありません。
IKEAが販売する商品は大きな家具だけではありませんが、実際に自分の目で見てデザインや素材感などがインテリアとして自宅に合うかどうかを判断したほうが良いものばかりだと言えます。
オムニチャネルでは販売チャネル間での情報や在庫の共有が行われ、顧客にとってシームレスな購入体験を提供することが重要なポイントになります。
店舗に行かずともいかに商品の魅力を伝えるか、あるいはオンラインショップをきっかけとしていかに店舗に足を運んでもらうかなどの仕掛けの構築は、注目に値します。
IKEAの店舗とオンラインストアが連携し、全チャネルで同じ品揃えを提供できるなど、顧客のニーズに合わせた購入体験をどう実現させたのか。
以下で、その取り組みを見ていきましょう。
IKEAはどのようにして店舗とオンラインストアを連携させたのか
IKEAは店舗とオンラインストアを連携させるため、在庫管理を徹底しています。
これによりオンラインストアでの在庫確認がスムーズにでき、店舗に行くことなく、自宅から手軽に商品を注文できます。
一方で、店舗での商品体験を重視する顧客にも対応しており、店舗で購入した商品を自宅に配送するサービスも提供しています。
そのほかにも店舗とオンラインストアでの品揃えの統一や、店舗でのモバイル決済の導入など、顧客のニーズに合わせた取り組みを行っています。
IKEAのオムニチャネル化は、このような施策を経て顧客にとってシームレスな購入体験を提供することに成功し、その結果、売り上げの増加に繋がっていると考えられます。
これからもIKEAは、店舗とオンラインストアの連携を強化し、顧客の利便性を高めるための取り組みを行っていくでしょう。
そもそもIKEAがオムニチャネル化した理由
IKEAがオムニチャネルを強化した理由は、顧客のニーズに合わせたサービス提供を目指したからです。
2017年のECサイト立ち上げ以前は大都市圏のみに店舗を構え、実際に店舗に来られる客層に対してビジネスをしており、オンラインショップの成否は未知数だったと言われています。
そんなIKEAでしたが、ECサイトへのアクセスが増え、売り上げも増加し続けたことから、オンラインショップにも顧客ニーズがあったことを認識しました。
オンラインストアでの商品注文や店舗受取サービス、自宅配送サービスの提供など、複数の販売チャネルを利用することで、顧客の利便性を高める取り組みを進めました。
また、店舗とオンラインストアの連携により、全チャネルで同じ品揃えを提供し、顧客のニーズに合わせた購入機会を設けることができます。
これにより、IKEAは顧客にとってシームレスな購入体験を提供することに成功し、売り上げのさらなる増加に繋げていったのです。
IKEAのオムニチャネル戦略まとめ
IKEAのオムニチャネル戦略を整理してみましょう。
IKEAのオムニチャネル戦略は、以下の3つの軸で展開されています。
- オンラインストアと店舗の連携
- オンラインストアの充実
- モバイル決済の導入
これらの施策が成功した理由は、以下のような要因によるものです。
1. 顧客のニーズに合わせたサービス提供
オンラインストアや店舗での購入、受け取り、商品注文後の自宅配送サービスなど、顧客が利用しやすい方法を提供することで、顧客の利便性を高めました。
2. 全チャネルでの品揃えの統一
店舗とオンラインストアで同じ品揃えを提供することで、顧客が求める商品を全チャネルで購入できるようになり、購入率が上がりました。
3. モバイル決済の導入によるスムーズな支払い
スマートフォンで支払いができるようにすることで、支払いの手間を減らし、購入体験をスムーズにしたことも挙げられます。
以上のように、IKEAのオムニチャネル戦略は、顧客のニーズに合わせた施策の展開と全チャネルでの品揃えの統一、そしてモバイル決済によるスムーズな支払いによって、顧客の利便性を高めることに成功したのです。
IKEAの施策が成功した要因を別の角度から考える
IKEAのオムニチャネル施策が日本でも成功した理由には、以下のような要因が考えられます。
日本の経済状況
日本は現在、高齢化や人口減少が進むなど経済環境が厳しい状況にあります。
そのため消費者の支出意欲は低下しており、価格が低い商品に対する需要が高まっています。
IKEAは低価格帯の商品を中心に取り扱っており、日本の経済状況に合った商品戦略を展開したことが成功の一因と言えます。
顧客ニーズに合わせたサービス提供
IKEAは、オンラインストアでの在庫確認や店舗受取サービスを提供するなど、顧客が利用しやすい方法を提供することで、顧客の利便性を高めました。
また、店舗とオンラインストアでの品揃えの統一や、店舗でのモバイル決済の導入など、顧客のニーズに合わせた取り組みを行うことで、顧客にとってシームレスな購入機会を設けました。
以上のように、IKEAのオムニチャネル施策が日本でも成功した理由には、日本の経済状況や顧客ニーズに合わせたサービス提供などが考えられます。
IKEAは、店舗とオンラインストアの連携を強化し、顧客の利便性を高めるための取り組みを行っていったことが成功を後押ししたと言えるでしょう。
まとめ
ここまでオムニチャネルの成功事例としてIKEAの戦略と成功の要因を見てきました。
IKEAの事例は、一見オムニチャネル化しにくいと思われる商材の成功事例として参考になる部分も多いのではないでしょうか。