Shopify Flowとは?業務自動化の設定方法と活用事例を徹底解説
Shopify Flowはノーコードで業務を自動化できるShopify純正ツールです。在庫管理・顧客タグ付け・不正注文検知など150以上のテンプレートを活用したワークフロー設定方法と実践的な活用事例を詳しく解説します。
はじめに
ECサイトの運営を続けていると、「毎日同じ作業を繰り返している」「手動対応の漏れが怖い」といった課題が積み重なります。注文のリスク確認、在庫切れ時の商品ステータス変更、優良顧客へのタグ付け——これらはすべてルールが決まっている反復作業です。
Shopify Flowは、そうした定型業務をノーコードで自動化できるShopify純正のワークフロー自動化ツールです。プログラミング知識がなくても、「何かが起きたら(トリガー)→ 条件を確認して(コンディション)→ 何かをする(アクション)」という3ステップで自動化ルールを構築できます。
本記事では、Shopify Flowの基本概念から設定手順、実際の活用事例まで体系的に解説します。ECサイトの運営効率を高めたい担当者の方はぜひ参考にしてください。
Shopify Flowとは?基本概念を理解する
Shopify FlowはShopifyが提供するeコマース特化型の業務自動化プラットフォームです。2017年にShopify Plus向けに提供が開始され、2022年以降はBasicプランを含むすべての有料プランで利用可能になりました。
ワークフローの3要素
Shopify Flowのワークフローは以下の3要素で構成されます。
| 要素 | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| トリガー(Trigger) | 自動化を起動するイベント | 注文が作成された/在庫が閾値を下回った |
| コンディション(Condition) | 実行するかどうかの条件 | 注文金額が1万円以上/特定タグを持つ顧客 |
| アクション(Action) | 条件を満たした際に実行する処理 | 顧客にタグを付与/Slackに通知を送る |
この「もし〜なら〜する」という構造は、プログラミング経験のない担当者でも直感的に理解できるため、現場レベルで自動化を推進しやすいのが特徴です。
数百種類におよぶ豊富なワークフローテンプレートのテンプレートで即座に導入可能
Shopify Flowには、数百種類におよぶ豊富なワークフローテンプレートがあらかじめ用意されています。ゼロからルールを組み立てなくても、テンプレートを選択して一部パラメータを調整するだけで自動化を始められます。
(出典: Shopify | Workflow Automation made easy with Shopify Flow)
利用できるプランと条件
対応プラン
2026年現在、Shopify Flowは以下のプランで利用可能です。
- Basic(ベーシック)
- Grow(グロウ)
- Advanced(アドバンスト)
- Shopify Plus
※HTTPリクエスト送信アクション(外部サービスとのAPI連携)はShopify Plus 、Advanced、またはGrowの各プランのみ対応しています。
(出典:Shopifyヘルプセンター | HTTPリクエストを送信する)
追加費用について
Shopify Flowはアプリストアから無料でインストールできます。月額の追加料金は発生しません。Shopifyの月額プラン費用のみで利用できるため、コストパフォーマンスの高い自動化手段です。
(出典: Shopify App Store | Shopify Flow)
Shopify Flowでできること
在庫管理の自動化
在庫切れに関する処理は、Shopify Flowの最も代表的な活用シーンです。
- 在庫が指定数を下回ったら商品を「下書き」に変更する
- 在庫ゼロになったら仕入れ担当者へメール通知を送る
- 在庫が復活したら自動で販売を再開する
手動対応では見落としが起きやすい在庫管理を自動化することで、機会損失と顧客体験の悪化を防げます。
顧客のタグ付けとセグメント管理
購買データに基づいて顧客を自動的にセグメント分けできます。
- 累計購入金額が3万円を超えたら「VIP」タグを付与する
- 購入回数が5回以上になったら「ロイヤル顧客」に分類する
- 半年間購入がない顧客に「休眠顧客」タグを設定する
タグを活用すれば、ShopifyのメールマーケティングやCRMツールと連携して、セグメント別のコミュニケーションを自動化できます。
不正注文・リスク管理
Shopifyの不正リスクスコアリングと組み合わせることで、怪しい注文を自動的にフラグ立てできます。
- リスクレベルが「高」の注文をキャンセルして在庫を解放する
- 不正リスクが検出されたら担当者にSlack通知を送る
- 特定の国・地域からの注文に自動でレビュータグを付与する
注文処理・フルフィルメントの効率化
- 特定商品が含まれる注文に「ギフト対応」タグを付けてピッキング担当者に伝達する
- 注文金額に応じて優先出荷フラグを立てる
- 特定の支払い方法で決済された注文を自動的に保留にする
マーケティング施策との連携
- 初回購入後7日で「フォローアップ」メールをトリガーする
- バースデー月の顧客に自動でクーポンタグを付与する
- アップセル対象商品を購入した顧客にマーケティングメールリストへ追加する
Shopify Flowの基本的な設定手順
Step 1: Flowアプリのインストール
Shopify管理画面から「アプリを追加」でShopify App StoreにアクセスしてFlowを検索します。Shopify純正アプリのため、ストアとの連携は自動的に完了します。
Step 2: ワークフローの作成
管理画面の「Flow」からワークフロー一覧に進み、「ワークフローを作成」をクリックします。テンプレートを使う方法とゼロから作成する方法の2つが選択できます。
初めて設定する場合はテンプレートの活用を推奨します。目的に近いテンプレートを選んで内容を確認し、数値やタグ名などのパラメータを自店舗に合わせて調整するだけで完成します。
Step 3: トリガーの設定
ワークフローを起動するイベントを選択します。主なトリガーカテゴリは以下のとおりです。
- 注文関連: 注文作成、注文キャンセル、支払い完了
- 顧客関連: 顧客作成、顧客更新、タグ変更
- 商品・在庫関連: 在庫数量変更、商品公開・非公開
- スケジュール: 指定時刻に定期実行
Step 4: コンディションの追加
すべての注文に対して処理を実行するのではなく、特定の条件を満たした場合のみアクションを起動したい場合にコンディションを追加します。AND/OR条件を組み合わせることで複雑な絞り込みも可能です。
Step 5: アクションの設定
条件を満たした際に実行する処理を設定します。1つのワークフローに複数のアクションを連続させることもできます。代表的なアクションには以下があります。
- 顧客・注文・商品へのタグ付与・削除
- メール・Slack通知の送信
- 注文のキャンセル・保留
- 在庫の調整
- 外部APIへのHTTPリクエスト送信(Shopify以上のプランのみ)
Step 6: テスト実行と有効化
2025年に追加されたテスト実行機能を使うと、実際のデータに影響を与えることなくサンプルデータでワークフローの動作を確認できます。条件がtrueまたはfalseになる理由をステップごとに確認できるため、設定ミスを事前に発見しやすくなっています。
動作確認後、ワークフローを「有効」に切り替えれば本番稼働開始です。
(出典: Shopify Blog | How Shopify Flow Automation Got Faster, Safer, and Smarter in 2025)
実践的な活用事例
事例1: VIP顧客への自動昇格とクーポン配布
課題: 累計購入金額が一定を超えた顧客を手動で確認しVIP扱いにしていた。
ワークフロー設定:
- トリガー: 注文の支払い完了
- コンディション: 顧客の累計購入金額が30,000円以上
- アクション①: 顧客に「VIP」タグを付与
- アクション②: VIPウェルカムメールを送信
効果: 担当者が毎週行っていた手動確認作業がゼロになり、漏れなくVIP対応を実施できるようになった。
事例2: 在庫切れ商品の自動非公開
課題: 在庫切れ商品がそのまま公開され続け、購入しようとした顧客からのクレームが発生していた。
ワークフロー設定:
- トリガー: 在庫数量が変更された
- コンディション: 在庫数量が0以下になった
- アクション: 商品を下書き(非公開)に変更
効果: 在庫切れによる顧客体験の悪化を防ぎ、クレーム件数が大幅に減少。
事例3: 高リスク注文の自動フラグ管理
課題: 不正注文の手動確認に担当者が1日30分以上費やしていた。
ワークフロー設定:
- トリガー: 注文が作成された
- コンディション: 不正リスクレベルが「高」
- アクション①: 注文に「要確認」タグを付与
- アクション②: 担当者のメールアドレスに通知を送信
効果: 人的な確認が必要なのは要確認案件のみとなり、確認工数を約70%削減。
Shopify Flow活用時の注意点とコツ
ワークフローは少数から始める
最初から多くのワークフローを作成すると管理が複雑になります。最も工数がかかっている定型業務を1〜2件特定し、小さく始めて効果を検証するアプローチが有効です。
コンディションの設定を丁寧に
トリガーが発火してもコンディションが適切でないと、意図しない顧客・注文にアクションが実行されます。特に顧客タグ付けや注文キャンセルなど不可逆なアクションを設定する場合は、テスト実行で動作を十分確認してから有効化してください。
ワークフローの命名規則を決める
ワークフローが増えてくると、どのワークフローが何をするものかわかりにくくなります。「[在庫] 在庫0→非公開」「[顧客] VIPタグ付与」のように目的が一目でわかる命名規則を設けることで管理しやすくなります。
AIによるワークフロー作成機能(Sidekick)を活用する
2025年のアップデートで、Shopify AIアシスタント「Sidekick」との統合が進みました。「200ドル以上の注文でVIPタグを付ける」のように自然言語で指示するとワークフローを自動生成してくれる機能が追加されており、設定の手間がさらに削減されています。
(出典: Shopify Blog | How Shopify Flow Automation Got Faster, Safer, and Smarter in 2025)
まとめ
Shopify Flowは、プログラミング知識なしに業務を自動化できるShopify純正ツールです。本記事の要点をまとめます。
- BasicプランからShopify Plusまですべての有料プランで無料利用可能
- トリガー→コンディション→アクションの3ステップでワークフローを構築
- 在庫管理・顧客タグ付け・不正注文対応など150以上のテンプレートを活用できる
- 2025年のアップデートでAIによるワークフロー自動生成・テスト実行機能が追加
- 小さな自動化から始めて、徐々に対象業務を広げていくのがコツ
ECサイトの規模が拡大するほど、定型業務の積み重ねが経営リソースを圧迫します。Shopify Flowを活用して反復作業を自動化し、付加価値の高い業務に集中できる体制を整えましょう。
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