Shopify Analyticsの使い方完全ガイド|売上向上に直結するデータ分析術
ShopifyのAnalytics(分析・レポート)機能を徹底解説。ダッシュボードの見方から主要KPIの読み解き方、カスタムレポートの活用法、GA4との使い分けまで、EC事業者が実践で使えるデータ活用術を網羅します。
はじめに
「売上は確認しているけれど、なぜ売れているのか・なぜ売れていないのかがわからない」——そうした悩みを持つEC事業者は少なくありません。データを見ていても、どの数字を優先すべきか、どう改善アクションに結びつけるかが難しいのが現実です。
Shopifyには標準で強力な分析機能「Shopify Analytics」が搭載されており、売上・顧客・集客・商品のデータをリアルタイムに可視化できます。2024年に大幅リニューアルされた新しいAnalyticsは、カスタマイズ可能なダッシュボードや柔軟なデータ探索機能を備え、より実践的なデータ活用が可能になりました。
本記事では、Shopify Analyticsの基本的な使い方から、売上改善に直結する活用ステップ、上位プランで使えるカスタムレポートまで体系的に解説します。
出典: Shopifyヘルプセンター | Shopifyのストア分析
Shopify Analyticsとは?
Shopify Analyticsとは、Shopify管理画面に標準搭載されたデータ分析・レポート機能です。管理画面の「アナリティクス」メニューから、以下の3つのセクションにアクセスできます。
| セクション | 概要 |
|---|---|
| ダッシュボード | 主要指標をカード形式で一覧表示。追加・削除・並び替えが可能 |
| レポート | 売上・顧客・集客・在庫などカテゴリ別の詳細データ |
| ライブビュー | オンラインストアのリアルタイムトラフィック |
プランごとの機能差
Shopify Analyticsの基本機能はすべてのプランで利用できますが、上位プランほど高度な分析が可能です。
- Basic / Shopify / Advanced / Plus:すべてのレポートカテゴリにアクセス可能
- Advanced / Plus:カスタムレポート、ShopifyQL クエリエディタ、データエクスプローラー(複数の指標・ディメンションを自由に組み合わせて分析)が利用可能
データはリアルタイムで更新されるため、セール中や広告配信中の即時確認にも活用できます。
出典: Shopifyヘルプセンター | Shopifyのストア分析
主要レポートカテゴリと見るべき指標
Shopify Analyticsのレポートは複数のカテゴリに分かれています。それぞれの用途と、EC事業者が特に注目すべき指標を整理します。
売上レポート
売上の全体像を把握する最重要レポートです。
注目指標:
- 総売上(Gross Sales):割引・返金前の売上合計
- 純売上(Net Sales):割引・返金を差し引いた実質売上
- 平均注文額(AOV: Average Order Value):1注文あたりの平均金額
- 注文数:期間内の総注文件数
AOVは「客単価」に相当し、アップセル・クロスセル施策の効果測定に直結します。前月・前年同期との比較を習慣化することで、トレンドの変化を早期に察知できます。
集客・マーケティングレポート
どのチャネルから注文が生まれているかを把握するレポートです。
注目指標:
- セッション数:ストア訪問数
- コンバージョン率(CVR):訪問数に対する購入率
- チャネル別売上:オーガニック検索・SNS・広告・メールなどの貢献度
- 広告費用対効果(ROAS):Shopify Campaignsを使ったマーケティング施策の評価
集客チャネルを可視化することで、予算配分の最適化や撤退すべきチャネルの判断がしやすくなります。
出典: Shopifyヘルプセンター | マーケティングレポート
顧客レポート
新規顧客とリピーター(既存顧客)の動向を分析します。
注目指標:
- 新規顧客数 vs リピーター数:LTV改善の基点となる指標
- 顧客あたりの購入回数:リピート率の把握
- 初回購入から次回購入までの期間:リテンション施策のタイミング設定に活用
LTV(顧客生涯価値)を高めるには、新規獲得よりもリピーター育成のほうがコスト効率が良い場合が多いです。顧客レポートを使ってリピーター比率の変化を定期的に確認しましょう。
商品・在庫レポート
何が売れているか、何が売れていないかを把握します。
注目指標:
- 商品別売上ランキング:ベストセラーと死筋商品の特定
- バリアント別販売数:サイズ・カラーなど属性別の需要把握
- 在庫回転率:仕入れサイクルの最適化に活用
売れ筋商品に広告費を集中させ、在庫過多の商品にセール施策を打つといった意思決定がデータドリブンで行えます。
Shopify Analyticsを使った売上改善の実践ステップ
データを眺めるだけでは売上は上がりません。Shopify Analyticsを実際の施策改善に結びつけるための4ステップを紹介します。
ステップ1:CVRの低下ポイントを特定する
コンバージョン率が業界平均を下回っている場合は、漏れがどこで起きているかを特定します。
- セッション数は多いのにCVRが低い → 商品ページやチェックアウトに問題がある可能性
- 特定チャネルのCVRが低い → そのチャネル経由の流入ユーザーとストアのマッチング不足
- モバイルとPCでCVRに差がある → モバイル最適化が不十分な可能性
Shopify Analyticsのデバイス別・チャネル別フィルタを活用して、ボトルネックを絞り込みましょう。
ステップ2:AOVを高める施策を設計する
平均注文額が低い場合は、以下の施策が効果的です。
- バンドル販売・セット提案:関連商品をまとめて購入しやすくする
- 送料無料のしきい値設定:「あと〇〇円で送料無料」表示でカート追加を促す
- アップセル・クロスセルアプリの導入:商品ページ・カートでの関連商品表示
施策導入前後でAOVを比較することで、効果を定量評価できます。
ステップ3:リピーター育成に注力する
新規顧客の獲得コスト(CAC)はリピーターへの再購入促進コストよりも一般的に高くなります。顧客レポートで「2回目購入までの平均日数」を確認し、その前後にメールやSNSでアプローチするリテンション施策を設計します。
- 購入後7日・30日のフォローアップメール
- ポイント制度・ロイヤルティプログラムの導入
- 定期購入(サブスクリプション)オファー
ステップ4:週次・月次でレビューサイクルを回す
売上改善は継続的な改善サイクルによって実現します。Shopify Analyticsのダッシュボードをカスタマイズして、毎週確認する「ウィークリーKPIカード」を設定しましょう。
- 週次確認:セッション数・CVR・売上・AOV(前週比)
- 月次確認:チャネル別売上・新規 vs リピーター比率・商品別売上ランキング
- 四半期確認:顧客LTV・リピート率トレンド・年間売上予測
カスタムレポートとShopifyQLの活用(Advanced・Plus向け)
AdvancedプランおよびShopify Plusでは、標準レポートに加えてカスタムレポートとShopifyQLクエリエディタが利用できます。
カスタムレポートとは
複数の指標とディメンションを自由に組み合わせて、オリジナルのレポートを作成できる機能です。
活用例:
- 「特定地域(都道府県別)× 商品カテゴリ × 月別売上」の組み合わせ分析
- 「新規顧客のみ」「特定タグの顧客のみ」に絞ったフィルタリング
- 「キャンペーン期間中の時間帯別注文数」の詳細確認
出典: Shopifyヘルプセンター | マーケティングレポート
ShopifyQL クエリエディタ
ShopifyQLは、Shopifyのデータに特化したクエリ言語です。SQLに近い文法でデータを抽出でき、Shopify SidekickというAIアシスタントに指示を出すだけでクエリを自動生成することもできます。
開発リソースがなくても、「この条件でデータを抽出したい」という要件をSidekickに自然言語で伝えることで、カスタムデータ探索をすばやく実現できます。
出典: Shopifyヘルプセンター | Sidekick を使用して ShopifyQL クエリを生成する
Google Analytics 4(GA4)との連携・使い分け
Shopify AnalyticsとGA4はどちらも重要ですが、得意分野が異なります。
| 項目 | Shopify Analytics | Google Analytics 4(GA4) |
|---|---|---|
| 主な用途 | 売上・注文・顧客データの分析 | 訪問者行動・流入経路の詳細分析 |
| データ取得 | 注文確定時点のデータ(正確) | セッション単位・イベント単位 |
| 売上データ | 返金・割引を反映した正確な数値 | 推定値が含まれる場合あり |
| 行動分析 | 限定的 | ページ遷移・スクロール・クリックまで追跡可能 |
| 設定難易度 | 標準搭載でゼロ設定 | 別途設定・連携が必要 |
推奨の使い分け:
- 日次の売上確認・KPI管理 → Shopify Analyticsを使う
- 広告効果測定・流入チャネルの詳細分析 → GA4を使う
- ユーザー行動・ヒートマップ的な分析 → GA4またはサードパーティツールと組み合わせる
Shopifyの管理画面からGA4の連携設定ができるため、両方を並行して活用するのが理想的です。
まとめ
Shopify Analyticsは、EC事業者がデータドリブンな経営判断を下すための強力な基盤です。本記事で解説した内容をまとめます。
- 3つのセクション(ダッシュボード・レポート・ライブビュー)を状況に応じて使い分ける
- 売上・集客・顧客・商品の各レポートで、KPIの変化を定期的に確認する
- CVR・AOV・リピート率の改善サイクルを週次・月次で回すことが売上向上の鍵
- AdvancedプランではカスタムレポートとShopifyQLで高度な分析が可能
- GA4と組み合わせることでデータの死角をなくせる
「データは見ているが活かしきれていない」という状態から脱するためには、まずShopify Analytics上で毎週確認するKPIを3〜5個に絞り込むことから始めましょう。
FASTMAKEでは、Shopifyの構築・運用支援に加えて、Analytics活用やデータ分析に基づいたマーケティング改善のサポートも行っています。Shopifyストアのデータ活用でお困りの方はぜひご相談ください。