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Shopify Functionsとは?割引・配送・決済をカスタマイズする完全ガイド

更新日: 2026-06-23
Shopify Functionsとは?割引・配送・決済をカスタマイズする完全ガイド

Shopify Functionsは、割引・配送・決済などのバックエンドロジックをコードで拡張できるShopifyの開発者向け機能です。Shopify Scriptsの後継として2026年6月末に完全移行期限を迎える今、基本概念・主要API・具体的な活用事例をわかりやすく解説します。

はじめに

「特定の顧客グループだけに割引を適用したい」「地域ごとに送料を細かく設定したい」「一定金額未満の注文では代金引換を非表示にしたい」——こうした業務固有のチェックアウトカスタマイズは、これまでShopify Scriptsで実装されてきました。

しかし、Shopify ScriptsはShopify側から廃止が告知されており、2026年6月30日をもってサポートが終了します。その後継技術として登場したのがShopify Functionsです。

Shopify Functionsはパフォーマンスとスケーラビリティが大幅に向上した次世代のカスタマイズ基盤であり、開発者はもちろん、アプリ経由であればノーコードでもその恩恵を受けられます。本記事では、Shopify Functionsの基本から具体的な活用シーンまでを体系的に解説します。

出典: Shopify Help Center | Transitioning from Shopify Scripts to Shopify Functions

Shopify Functionsとは?基本概念と仕組み

Shopify Functionsは、Shopifyのバックエンドロジックの一部をカスタムコードで拡張・置き換えるための仕組みです。

通常、割引計算・送料算出・決済方法の表示はShopify側のロジックで処理されます。Shopify Functionsを使うと、この処理の一部に独自のビジネスロジックを差し込むことができます。

技術的な仕組み

Shopify FunctionsのコードはShopify側のインフラでWebAssembly(Wasm) として実行されます。これにより次のメリットが生まれます。

  • 実行時間は5ミリ秒以内と高速
  • フラッシュセールなど大規模アクセス時でもパフォーマンスを維持
  • Shopify Scriptsと比べてより安定した実行環境

開発言語はJavaScript/TypeScript(推奨)およびRustに対応しており、Shopify CLIを使って開発・デプロイを行います。

2つの利用方法

利用方法対象要件
既存アプリのインストール全プランShopify App Storeで対応アプリを導入するだけ
カスタムアプリの開発Shopify Plusのみ独自Functionsコードを含むカスタムアプリを構築

すべてのプランでFunctions対応アプリをインストールして機能を追加できますが、独自のロジックをゼロから構築できるのはShopify Plusプランのみです。

出典: Shopify Functionsとは?できることや導入メリット | Shopify.blog

対応している主なFunction API

Shopify Functionsには、カスタマイズの目的ごとに複数のAPIが用意されています。

ディスカウントFunction API

割引ロジックをカスタマイズするAPIです。近年のアップデートでリリースされた統合版では、商品割引・注文合計割引・送料割引を1つのFunctionでまとめて適用できるようになりました。1ストアあたり最大25件のディスカウントFunctionを有効化できます。

主な用途:

  • ボリューム割引(N個購入でX%オフ)
  • 顧客タグ・セグメント別の会員価格
  • バンドル割引(商品セット購入で値引き)
  • 自動適用の段階割引・クーポンコード

出典: Discount Function API | Shopify.dev

配送カスタマイズFunction API(Delivery Customization)

チェックアウト時に表示される配送オプションを、顧客情報や注文内容に応じて動的に制御するAPIです。

できること:

  • 配送方法の表示・非表示(例:離島・沖縄は特定配送方法のみ)
  • 配送オプションの並び替え(推奨方法を上位に表示)
  • 配送オプションの名称変更(キャリア名をわかりやすい表記に)
  • 注文条件に応じた送料の動的制御

出典: Delivery Customization Function API | Shopify.dev

決済カスタマイズFunction API(Payment Customization)

チェックアウト時に表示される決済方法を条件に応じて制御するAPIです。

できること:

  • 決済方法の表示・非表示(例:5万円以上の注文では代金引換を非表示)
  • 配送先・注文金額・顧客属性による決済方法の出し分け
  • B2B取引向けの後払い・請求書払い制御

出典: Payment Customization Function API | Shopify.dev

カート・チェックアウト検証(Cart and Checkout Validation)

カートやチェックアウト時に独自のバリデーションロジックを実装できます。

活用例:

  • 最低注文金額の設定(例:1,000円未満は購入不可)
  • 特定商品の同時購入禁止
  • 会員ランク別の購入数量制限
  • 定期便での最小ロット管理

その他のFunction API

  • 返品検証(Return Validation):返品条件のカスタムチェックロジック
  • 注文ルーティング(Order Routing):複数倉庫・フルフィルメント先への振り分け

Shopify Scriptsとの違いと移行の必要性

Shopify Functionsの前身であるShopify Scriptsとの主な違いを整理します。

比較項目Shopify ScriptsShopify Functions
実行環境サーバーサイド(Ruby)WebAssembly(JS/TS・Rust)
実行速度比較的低速5ミリ秒以内
配布方法Script Editorで直接編集アプリとして配布
ノーコード利用不可(コード必須)アプリ経由で可能
大規模セール耐性アクセス集中時に不安定高負荷環境でも安定
サポート状況2026年6月30日終了現在の標準

移行期限と対応手順

Shopify Scriptsは2026年6月30日をもって完全廃止となります。現在もScriptsを使用している場合は、早急に以下の対応が必要です。

  1. 現状確認:Shopify管理画面の「Scriptsカスタマイズレポート」で利用中のScriptsを洗い出す
  2. 代替方法の選定:App Storeで同等機能のFunctions対応アプリを探すか、カスタムアプリを開発する
  3. テスト・切り替え:開発環境で動作確認後、本番環境に反映する

出典: Shopify Help Center | Transitioning from Shopify Scripts to Shopify Functions

具体的な活用シーン・ユースケース

Shopify Functionsを実際に活用した代表的なカスタマイズ例を紹介します。

ユースケース1:B2B・卸売り向けの会員別価格

顧客タグを条件として、B2B取引先や特定の会員グループに特別価格を自動適用します。管理画面で顧客タグを付与するだけで、その顧客がチェックアウトすると割引が自動適用されます。コードに触れることなく複数の価格帯を管理でき、一般消費者向けとB2B向けのストアを統合運用できます。

ユースケース2:ボリューム割引の自動適用

「3個購入で10%オフ、5個以上で15%オフ」といった段階的なボリューム割引を、商品ごとに自動化できます。特にD2Cブランドの法人向け販路拡大や、製造業の取引先管理に有効なカスタマイズです。

ユースケース3:複雑な送料ロジックの実装

「5,000円以上で送料無料」だけでなく、以下のような複雑な条件も実装できます。

  • 会員ランクに応じた送料割引(シルバー会員は送料半額など)
  • 離島・沖縄への追加料金設定
  • 冷蔵・冷凍商品を含む注文への別途チルド便料金加算
  • 特定のキャンペーン期間中のみ送料無料

ユースケース4:決済方法の条件制限

  • 5万円を超える注文では代金引換を非表示にしてリスクを低減
  • 法人顧客(特定タグ付き)にのみ請求書払いを表示
  • 海外配送先を選択した場合は国内専用決済手段を自動非表示

これにより、未払いリスクの軽減や、運用ルールをシステムとして自動強制できます。

ユースケース5:定期購入・サブスクリプションへの応用

サブスクリプション商品を含む注文に対して、特定の決済方法のみを許可したり、一定金額以上の定期購入者に専用の送料優遇を自動付与したりと、サブスクビジネスの収益最大化にも活用できます。

Shopify Functionsを導入する際の注意点

技術要件

カスタム開発を行う場合は以下の環境が必要です。

  • Shopify CLI(開発・デプロイ用コマンドラインツール)
  • Node.js および npm/yarn(JavaScriptで開発する場合)
  • Shopify Plusプラン(カスタムアプリ開発には必須)
  • 開発者ストア(テスト環境として)

主な制約・制限

  • 1ストアあたり有効化できるディスカウントFunctionは最大25件
  • Function実行時間の上限は5ミリ秒(超過するとエラー)
  • カスタムアプリ開発はShopify Plusのみ(標準プランはアプリインストールのみ)
  • Function APIのバージョンはShopify APIバージョンに準拠し、定期的なアップデートへの対応が必要

アプリ利用時のコスト

App Storeの既存Functionsアプリを利用する場合、多くは月額サブスクリプション形式です。費用はアプリによって異なりますが、開発コストを抑えながら機能を追加できる点で、特に中小規模のマーチャントに向いています。

まとめ

Shopify Functionsは、Shopifyのバックエンドロジックを柔軟に拡張できる次世代のカスタマイズ基盤です。本記事の要点を整理します。

  • Shopify Functionsは割引・配送・決済・バリデーションをカスタマイズするための次世代API
  • WebAssemblyで動作し、5ミリ秒以内の高速実行でフラッシュセールにも対応
  • Shopify Scriptsは2026年6月30日に廃止。現在利用中の場合は早急な移行対応が必要
  • アプリのインストールは全プランで可能。独自コード開発はShopify Plusのみ
  • ボリューム割引・会員価格・送料カスタマイズ・決済制限など、業務要件を柔軟に実装できる

EC事業の成長とともにチェックアウトのカスタマイズ要件は複雑化します。Shopify Functionsを適切に活用することで、コンバージョン率の向上や業務効率化、不正注文リスクの低減を一気に実現できます。

FASTMAKEでは、Shopify Functionsを活用したカスタムECサイトの設計・開発から運用支援まで一貫してサポートしています。チェックアウトロジックの最適化についてのご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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